Sinéad Carew Bansari Mayur Kamdar
[6日 ロイター] - 米国株式市場は主要3指数がいずれも反発して取引を終えた。経済指標やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け、年内の利下げ観測が高まった。
パウエル議長は6日、下院金融サービス委員会の公聴会で、年内に利下げを開始する見通しを示し、米経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクがあるとは考えていないことを示唆した。ただ利下げ時期については明言を避けた。
FRBは利下げ前に「インフレ率が2%まで持続的に低下していることを確認し、かつその確信を高めるさらなるデータを見ることを望んでいる」と述べた。
LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「パウエル議長はFRBが年内の利下げを見込んでいることを明確にした。市場はこれを聞きたかった。あいまいな表現もあったが、全般的なメッセージは明確だった」と指摘した。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ラスキーニ氏は、パウエル議長の証言とともに、6日発表の経済指標も利下げへの期待や労働市場への信頼感を高めたと述べた。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が6日発表した2月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数の増加数が14万人と、ロイターがまとめたエコノミスト予想(15万人)を下回った。
また、米労働省発表の1月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は2万6000件減の886万3000件となった。
ラスキーニ氏は「求人数はやや減少したが依然としてかなり健全で、引き続き労働市場の底堅さを示している。コンセンサスになったゴルディロックスのシナリオに合致する」と語った。
S&P総合500種の主要11セクターでは9セクターが上昇。金利動向に敏感な公益事業が約1%高、情報技術が0.9%高と上げを主導した。一般消費財は0.4%安で下落率が最大だった。
この日は前日にアンダーパフォームしていた半導体株が市場全般をアウトパフォーム。フィラデルフィア半導体指数は2.4%上昇し、過去最高値で引けた。同指数が終値で最高値を更新するのは過去5営業日中4日目。
電気自動車(EV)大手テスラは2.3%安。3日続落した。注目されるモルガン・スタンレーのアナリストが目標株価を引き下げ、大幅な値下げにもかかわらず、中国など主要市場でEVの需要鈍化が続いていると指摘した。
中国電子商取引大手JDドットコム(京東商城)の米市場上場株は16.2%急伸。四半期売上高が市場予想を上回ったほか、自社株買いプログラムを拡大した。
暗号資産(仮想通貨)関連株も買われ、コインベース・グローバルは10%高、マイクロストラテジーは18.6%高。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.82対1の比率で上回った。ナスダックでも1.54対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は125億4000万株。直近20営業日の平均は120億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 38661.05 +75.86 +0.20 38721.15 38858.13 38570.80
前営業日終値 38585.19
ナスダック総合 16031.54 +91.96 +0.58 16092.00 16128.56 15956.66
前営業日終値 15939.59
S&P総合500種 5104.76 +26.11 +0.51 5108.03 5127.97 5092.22
前営業日終値 5078.65
ダウ輸送株20種 15673.52 +47.28 +0.30
ダウ公共株15種 849.16 +7.17 +0.85
フィラデルフィア半導体 4997.93 +118.10 +2.42
VIX指数 14.50 +0.04 +0.28
S&P一般消費財 1447.08 -5.67 -0.39
S&P素材 558.10 +4.13 +0.75
S&P工業 1026.69 +5.07 +0.50
S&P主要消費財 798.89 +6.36 +0.80
S&P金融 673.66 +2.72 +0.41
S&P不動産 248.98 +1.36 +0.55
S&Pエネルギー 660.77 +2.26 +0.34
S&Pヘルスケア 1698.98 +11.97 +0.71
S&P通信サービス 267.21 -0.46 -0.17
S&P情報技術 3773.64 +34.08 +0.91
S&P公益事業 318.81 +3.05 +0.97
NYSE出来高 11.01億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 40335 + 255 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 40330 + 250 大阪比