Caroline Valetkevitch
[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、S&P総合500種が終値で最高値を更新した。前日に半導体大手エヌビディアとの共同発表を控えていることが明らかになったソフトウエア大手オラクルが急伸した。
米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったにもかかわらず、利下げへの期待が維持されたことも相場を支援した。
オラクルは11.7%上昇し過去最高値を付けた。11日に発表した四半期決算で利益が予想を上回った。オラクル幹部はアナリストとの電話会見で少なくとも3回、エヌビディアに言及し、約1週間の間に共同発表を行う予定だと明らかにした。
エヌビディアも買われ、7.2%上昇。2日続落していたフィラデルフィア半導体指数は反発し2.1%高となった。
米労働省が12日発表した2月のCPIは前月比0.4%上昇。ガソリンや住居費の上昇で伸びが加速した。
ウェルスパイア・アドバイザーズのシニアバイスプレジデント、オリバー・パーシェ氏は「米連邦準備理事会(FRB)がいつ利下げするかではなく、どの程度利下げするかが重要だと投資家は考えるようになってきた」と指摘。重要なのは利下げが行われ、制約的な環境が緩和されるということだと話した。
CMEグループのフェドウオッチによると、市場が織り込む6月利下げ確率は70%で、CPI発表前の71%からほぼ変わらなかった。
パーシェ氏は「経済データを見ると、かなり好調が続いている。消費者、従業員、投資家としての私の立場から言えば、景気刺激策を必要とする弱い経済よりも、強い経済と若干高い金利環境の方が望ましい」と語った。
航空機大手ボーイングは4.3%下落した。同社は12日付のメモで、品質を巡る問題に対処するため、737の全ての作業エリアで毎週コンプライアンスチェックを行い、設備の監査を強化すると従業員に伝えた。
米連邦航空局(FAA)はアラスカ航空が運航していたボーイング製旅客機「737MAX9」の側壁の一部が飛行中に吹き飛んだ1月の事故を受け、737の生産を抑制している。
航空各社はボーイングからの納入遅延により輸送能力拡大計画が不透明になっていると警告した。サウスウエスト航空は14.9%急落した。
米取引所の合算出来高は109億7000万株。直近20営業日の平均は120億7000万株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.28対1の比率で上回った。ナスダックでは1.20対1で値下がり銘柄が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 39005.49 +235.83 +0.61 38883.32 39071.56 38711.39
前営業日終値 38769.66
ナスダック総合 16265.64 +246.36 +1.54 16116.98 16275.45 15992.98
前営業日終値 16019.27
S&P総合500種 5175.27 +57.33 +1.12 5134.30 5179.87 5114.48
前営業日終値 5117.94
ダウ輸送株20種 15882.29 +95.99 +0.61
ダウ公共株15種 855.47 -8.53 -0.99
フィラデルフィア半導体 4992.51 +102.31 +2.09
VIX指数 13.84 -1.38 -9.07
S&P一般消費財 1459.59 +14.35 +0.99
S&P素材 567.83 -0.33 -0.06
S&P工業 1031.69 +4.67 +0.45
S&P主要消費財 805.84 +5.08 +0.63
S&P金融 678.30 +3.02 +0.45
S&P不動産 249.54 -0.91 -0.37
S&Pエネルギー 674.11 -1.07 -0.16
S&Pヘルスケア 1710.55 +8.19 +0.48
S&P通信サービス 274.68 +3.19 +1.17
S&P情報技術 3855.48 +95.45 +2.54
S&P公益事業 319.84 -3.21 -0.99
NYSE出来高 10.01億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 38955 + 465 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 38880 + 390 大阪比