[コペンハーゲン 14日 ロイター] - デンマーク海運大手マースクのビンセント・クラーク最高経営責任者(CEO)は14日開かれた同社の年次株主総会で、世界のコンテナ輸送市場は向こう数年にわたって輸送能力が過剰な状況に直面すると指摘し、運賃は持続不可能な水準にまで下落していると説明した。
マースクは先月、コンテナ輸送市場の過剰な輸送能力により今年は収益が圧迫されるとの見通しを示していた。
クラーク氏は株主総会で「コンテナ運賃は市況が堅調だった2021─22年以降、大幅に下落しており、実際には持続不可能な水準にまで値下がりしている」と述べた。
コンテナ運賃は昨年12月から今年1月上旬にかけて、イエメンの新イラン武装組織フーシ派による紅海での商船攻撃により海運各社が航路をスエズ運河経由から南アフリカ沖経由への変更を余儀なくされたことを受け、高騰していた。だがその後は供給が需要を上回ったため、運賃は下落基調となっている。
マースクによると、新たなコンテナ船が昨年に市場へ投入されたため海運業界の世界全体の輸送能力は9%増加しており、さらに今年は11%、来年は7%増える見込みだ。