Selena Li
[香港 26日 ロイター] - 英銀大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)のビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)は25日、中国国家外貨管理局の朱鶴新局長と会談した。同行は中国国内の顧客による「適格国内機関投資家(QDII)」制度を通じた海外金融商品への投資について、新規申込受付を停止してから1カ月が経過している。
外貨管理局が同日夜に出した発表文によると、中国の金融開放などについて意見交換を行った。
スタンチャートは先月、QDII制度を通じて販売する海外ファンドへの新規申し込みを受け付けないと顧客に通知。ロイターの取材に対し、「商業的理由」により停止したと認めた。
同制度は外貨管理局が管轄している。
アナリストによれば、QDIIを通じた海外投資需要が急増したため、スタンチャートの枠が上限に達した可能性がある。
ウィンターズ氏と朱氏が上限枠について話し合ったかどうかは不明だ。
北京では23日に恒例の中国発展フォーラムが開幕し、国際企業の幹部が出席。金融界からはウィンターズ氏やHSBCのノエル・クイン最高経営責任者(CEO)らが参加した。
中国外務省によると、大手投資ファンド、ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマンCEOが25日に中国共産党中央書記処書記の蔡奇氏と会談。蔡氏は2023年の米中首脳会談での合意事項の履行が最優先事項とし、あらゆる方面からの支援を必要としていると述べた。
<投資銀行部門も営業開始>
これとは別に、スタンチャートは発表文の中で、全額出資の投資銀行部門「スタンダード・チャータード証券(中国)」が22日から営業を開始したと発表。「われわれは中国の継続的な金融セクター開放と経済移行を確信している」として、中国事業の深化と多様化を進めると表明した。