Manya Saini Nupur Anand
[8日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースが、ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の後継者の絞り込み作業を着々と進めている。
このほど公表した株主総会議案書で、取締役会が「(中期的に見て)強力な(次期)CEO候補として株主によく知られている執行委員会メンバーの育成に相当な時間を費やしている」と明らかにした。
68歳のダイモン氏は既に18年余りもJPモルガンのトップに座り、米企業全体でも有数の大物経営者となっている。ただ昨年5月には、向こう3年半のうちに退任する可能性があると示唆していた。
こうした中、現段階で後継候補として有力視されているのは、ともに最近商業・投資銀行部門の共同CEOに任命されたジェニファー・パイプザック氏とトロイ・ローボー氏、消費者・コミュニティー銀行部門CEOを務めるマリアン・レーク氏、資産運用・ウエルスマネジメント部門CEOのメアリー・アードス氏の4人。
ジャニー・モンゴメリー・スコットの調査ディレクター、クリス・マリナック氏は、ダイモン氏が2020年3月に緊急手術を受けて以来、JPモルガンは徐々にトップ人事について情報発信をしてきたと指摘。「ただダイモン氏がすぐ辞めるとは思わないし、彼はあと数年、職にとどまってもおかしくない」と述べた。
ザックス・インベストメント・マネジメントの顧客ポートフォリオマネジャー、ブライアン・マルベリー氏は、トップ人事を巡る議論や情報開示が増えている点からすると、交代時期は2─5年以内だとの見解を示した。
パイパー・サンドラーのアナリスト、スコット・シーファーズは1月のノートに、最有力候補はパイプザック氏とレーク氏だと記した。
マルベリー氏も、投資銀行がJPモルガンの収入の伸びをけん引する主な力になっているため、後継者レースではパイプザック氏がわずかにリードしているとみている。