[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が大幅反発して取引を終えた。この日発表された3月の卸売物価指数(PPI)の伸び率が鈍化したことで、インフレが鎮静化しているとの期待が広がった。
金利動向に敏感な大型ハイテク株がナスダックの上昇を支援した。
3月のPPI(最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)で0.2%上昇となった。伸びは2月の0.6%上昇から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想(0.3%上昇)も下回った。
マクロ・インスティチュートのシニア投資ストラテジスト、ブライアン・ニック氏はPPIについて、前日発表の消費者物価指数(CPI)よりも穏やかな「ソフトランディング」(軟着陸)を支持する内容だったと指摘。前日の株価急落は過剰反応だった可能性があるとし、きょうは自然な反動から買われたとの見方を示した。
一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は11日、金融政策は現在「好位置」にあり、経済情勢を踏まえると「極めて近い将来に金融政策を調整する明確な必要性はない」と述べた。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、物価圧力が緩和し続けると連邦準備理事会(FRB)はまだ確信していないと述べた。
市場の関心は第1・四半期の決算発表シーズンに移る。12日にはJPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの大手3行が決算を発表する。
S&P総合500種の主要11セクターでは情報技術が大きく上昇。一方、金融は下落した。
大型モメンタム株で構成するFANGプラス指数は2.6%高とアウトパフォームした。
個別銘柄では衣料レンタルのレント・ザ・ランウェイが161.9%急伸。人工知能(AI)を活用して今年の業績を伸ばす方針を示した。
バイオテックのアルパイン・イミューン・サイエンシズは36.9%高。バーテックス・ファーマシューティカルズによる49億ドルでの買収を発表した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.12対1の比率で上回った。ナスダックでも1.23対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は103億9000万株。直近20営業日の平均も114億8000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 38459.08 -2.43 -0.01 38523.26 38598.98 38197.28
前営業日終値 38461.51
ナスダック総合 16442.20 +271.84 +1.68 16236.20 16464.60 16154.65
前営業日終値 16170.36
S&P総合500種 5199.06 +38.42 +0.74 5172.95 5211.78 5138.77
前営業日終値 5160.64
ダウ輸送株20種 15748.90 +145.04 +0.93
ダウ公共株15種 861.38 -3.04 -0.35
フィラデルフィア半導体 4906.37 +116.02 +2.42
VIX指数 14.91 -0.89 -5.63
S&P一般消費財 1471.25 +13.64 +0.94
S&P素材 576.40 -0.60 -0.10
S&P工業 1051.71 +1.11 +0.11
S&P主要消費財 790.16 -2.21 -0.28
S&P金融 676.18 -3.96 -0.58
S&P不動産 235.93 +0.07 +0.03
S&Pエネルギー 746.47 -1.47 -0.20
S&Pヘルスケア 1643.79 -8.11 -0.49
S&P通信サービス 294.21 +3.32 +1.14
S&P情報技術 3837.39 +88.62 +2.36
S&P公益事業 328.50 -0.68 -0.21
NYSE出来高 9.27億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 39665 + 255 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 39635 + 225 大阪比