[15日 ロイター] - ロシアの銅生産会社RCCと複数の中国企業が、新品の銅線をスクラップに偽装して取引することにより関税を逃れた上、西側による制裁の影響を回避してきたことが、事情に詳しい関係者3人の話で明らかになった。
関係者によると、銅線は中国の新疆ウイグル自治区で仲介業者によって細断され、スクラップと見分けるのが困難になる。こうして銅線をスクラップとして輸入することで業者は関税を逃れることができる。
中国では銅線の輸入には4%の関税が適用されるが、ロシアからのスクラップの輸入は非課税だ。
中国では西側の制裁対象となっているロシア企業から金属を輸入することに法的な障害は全くない。だが中国の製造業者は、ロシア企業と取引していることを米国や英国などの顧客が知った場合に、これらの顧客向け輸出ビジネスを失うのではないかと心配している。
スクラップに偽装された銅の販売は昨年12月に始まり、中国とロシアの輸出入データの違いに反映されている。
中国の税関データによると、ロシアからの銅スクラップの輸入は昨年12月以降に急増している。これに対し、ロイターがロシアの商業情報提供業者から入手したデータでは、中国へ輸出されたスクラップは極めて少量にとどまっている。
RCCは西側の制裁対象となっている。同社は中国企業との銅線取引に関する質問に、商品の提供先はロシア企業に限られていると答えた。