[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国株式市場は不安定な地合いの中、主要3指数がそろって下落した。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡る不透明感や決算発表シーズン序盤の軟調な企業業績を反映した。
S&P総合500種は約4カ月ぶりとなる4日続落を記録。FRBの利下げ時期が従来の想定より後ずれし、ペースも緩やかになるとの見方が背景にある。
パウエルFRB議長は前日、制約的政策を長期間維持する必要性に言及した。
アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリンベン氏は「市場は幾つかの問題に頭を悩ませている。インフレは大方の予想から上振れし、利下げ観測も後退、さらに中東をはじめ地政学的緊張が高まっている」と指摘。
「5カ月に及んだ力強い相場上昇の後で市場参加者が様子見姿勢に転じ、一息つく良い口実になっている」とした。
FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動は全般的に2月下旬から4月初旬にかけてわずかに拡大したとの認識を示した。同時に、企業の間でインフレ低下の進展の停滞が懸念されていると指摘した。
CMEのフェドウオッチによると、FRBが6月に25ベーシスポイント(bp)以上の利下げをする確率は16.8%に低下し、7月利下げは46%となった。
損害保険大手トラベラーズが7.41%下落し、S&P500構成銘柄の値下がり率上位に入った。ダウ工業株30種構成銘柄では値下がり率トップ。第1・四半期の予想を下回る利益が嫌気された。
物流倉庫を中心とする不動産投資信託(REIT)プロロジスと医薬品大手アボット・ラボラトリーズも決算内容を材料に売られた。
一方、ユナイテッド航空は17.45%急伸。4─6月期の利益見通しが市場予想を上回った。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.1対1の比率で上回った。ナスダックでも1.54対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は108億株。直近20営業日の平均は110億5000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37753.31 -45.66 -0.12 37949.67 38036.70 37611.56
前営業日終値 37798.97
ナスダック総合 15683.37 -181.88 -1.15 15942.29 15957.03 15654.51
前営業日終値 15865.25
S&P総合500種 5022.21 -29.20 -0.58 5068.97 5077.96 5007.25
前営業日終値 5051.41
ダウ輸送株20種 14986.55 -259.68 -1.70
ダウ公共株15種 853.35 +17.82 +2.13
フィラデルフィア半導体 4567.31 -153.22 -3.25
VIX指数 18.21 -0.19 -1.03
S&P一般消費財 1408.76 -8.02 -0.57
S&P素材 560.47 +1.20 +0.21
S&P工業 1025.06 -5.83 -0.57
S&P主要消費財 783.56 +3.55 +0.46
S&P金融 660.26 +1.34 +0.20
S&P不動産 224.02 -1.80 -0.80
S&Pエネルギー 719.56 -2.46 -0.34
S&Pヘルスケア 1613.26 -2.85 -0.18
S&P通信サービス 284.44 -0.34 -0.12
S&P情報技術 3644.27 -63.40 -1.71
S&P公益事業 325.37 +6.64 +2.08
NYSE出来高 9.47億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 37810 - 30 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 37780 - 60 大阪比