Lawrence White Sinead Cruise
[ロンドン 25日 ロイター] - 英大手銀行バークレイズが25日発表した第1・四半期決算は、税引き前利益が前年同期比12%の減の23億ポンド(28億4000万ドル)となった。
トレーディング収入の減少や住宅ローン需要の低迷が響いた。アナリスト予想の22億ポンドをわずかに上回った。
投資家の間では業績回復に向けた取り組みは順調に進んでいるとの見方が強まった。
サード・ブリッジのアナリスト、マックス・ジョージウ氏は「2024年の業績目標の達成に向けて強固な基盤を築いた。今後は勢いを維持する必要がある」と述べた。今年さらに人員削減を行わない限りコスト削減計画の実現は「困難」との見方を示した。
今回は事業部門を3部門から5部門に再編した新体制下で初の決算報告となった。
投資銀行部門は利益が7%減と予想をわずかに下回った。有形株主資本利益率(RoTE)は12%と前年から2.4%ポイント低下した。長期目標とは一致した。
債券・為替・商品(FICC)部門は21%の減益。高水準だった前年の反動に加えて顧客の取引が低調だった。
投資銀行部門の助言手数料は30%減少した。M&A助言手数料の獲得に苦戦した。
エクイティ部門の収入は25%増加した。現物株とデリバティブがいずれも好調だった。
RoTEは全部門で悪化した。英コーポレートバンク部門が最も低調で前年の21.7%から15.2%へ低下した。
住宅ローン市場での競争が激化する中、消費者向け融資と住宅ローンを専門とする英銀行部門は利益が7%減少した。ただ利回りの高い金融商品に資金を移す動きが鈍化したため、同部門の純金利マージンは2ベーシスポイント(bp)上昇して3.09%となった。