Susanna Twidale
[ロンドン 8日 ロイター] - スイスの新興企業クライムワークスは、大気中から二酸化炭素(CO2)を直接回収し、地中に貯留する技術「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)」を活用した世界最大規模のプラントを稼働した。
今回稼働したのは、アイスランドに新設した「マンモス」。マンモスのCO2回収能力は年間3万6000トン。今年末までにほぼフル稼働する見通し。
クライムワークスが手掛ける商業プロジェクトとしては、同じくアイスランドに設置したDACプラント「オルカ」に次いで2件目となる。オルカの回収能力は年間4000トンで、これまでの回収量としては最大規模とされていたが、マンモスはこれの10倍近くとなる。
クライムワークスの共同創業者で共同最高経営責任者(CEO)を務めるヤン・バルツバッハー氏は「マンモスの稼働開始は、回収能力を2030年までにメガトン、50年までにギガトンの水準までに拡大する旅路の証しとなる」と語った。
CO2の回収には、大量のエネルギーを消費するが、アイスランドで操業するプラント2カ所は、再生可能な地熱発電で稼働する。
DACを巡っては、コストが高いなど批判の声があがっている。
クライムワークスは、マンモスでのトン当たりのCO2回収にかかるコストの詳細を明かしていないが、30年までに1トン=400─600ドルに、40年までに200─350ドルに削減していく方針だ。