*16:10JST ダイキアクシス Research Memo(10):2030年ビジョン達成に向け2025年12月期までの中計を推進(2)
■中長期的な方向性
4. 企業価値向上に向けた課題認識と施策
ダイキアクシス (TYO:4245)では、仕入価格上昇分の価格転嫁の遅れや先行投資による利益圧迫によりROEが低下し、PBRも1倍前後で推移している状況について課題認識している。
引き続き中長期的な成長を視野に入れ、販売地域拡大、生産能力・競争力の強化を図るとともに、利益率の改善に向けてコスト管理やIT推進に取り組む。
事業拡大に向けては、「環境機器関連事業」における海外展開の加速(特にインド)がドライバーとなる。
また、競争力強化には、「住宅機器関連事業」における木構造事業や「再生可能エネルギー関連事業」におけるPPAモデルの展開及びバイオディーゼル燃料などをポイントにあげている。
一方、コスト管理については、海外におけるスリランカモデル※の採用検討や、「住宅機器関連事業」における集中購買、不採算事業の見直しなどに取り組む。
※スリランカモデルの特徴として、1) 組立作業であるため人財育成が容易、2) 組立工場であるため初期投資が少ない、3) 運送費・税関・税金の節約となる、などが挙げられる。
5. 弊社による注目点
国内経済が成熟していくなかで、世界中の新興国で深刻化する水環境問題に着眼し、社会課題の解決を自社の成長に結び付ける方向性は、非常に魅力的で理にかなった戦略であると弊社でも評価している。
とりわけ新興国に見合った仕様やコストで、品質の高い製品・サービスを提供できる同社には大きなアドバンテージがあり、ポテンシャルの大きな市場を切り拓いていく可能性は十分にあると見ている。
そのうえで、成否を決するのは、いかに各国政府と連携を図り、主体的にレギュレーションづくりに関与できるかということと、世界で活躍できる人財の育成にあるだろう。
日本における浄化槽普及の歴史が今後のアジア・アフリカのモデルとして注目されており、高度成長期からの古い歴史を持つ同社にとっては、日本における浄化槽製造・普及の過程をアジア・アフリカに再現していくことで、環境への貢献はもちろん、同社自身の大きな飛躍にもつながると考えられる。
人財育成についても、現在進めているインドでの取り組み(インドモデル)が軌道に乗れば、そこからの人財輩出も含め、今後の海外展開を早める転機になる可能性もある。
もちろん、新興国特有の難しさもあろうが、その点は新社長のこれまでの経験や経営手腕に期待したい。
国内では、引き続きM&Aを活用した事業基盤の強化に注目している。
特に構造的な問題を抱える「住宅機器関連事業」や、ポストFITを見据えて新たなビジネスモデルを進めている「再生可能エネルギー関連事業」については様々な戦略オプションが考えられるが、これまでもM&Aを通じて事業ポートフォリオを強化してきた同社にとっては、まさに環境変化や業界の動きが激しい時こそ、新たなチャンスが巡ってくる可能性が高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
4. 企業価値向上に向けた課題認識と施策
ダイキアクシス (TYO:4245)では、仕入価格上昇分の価格転嫁の遅れや先行投資による利益圧迫によりROEが低下し、PBRも1倍前後で推移している状況について課題認識している。
引き続き中長期的な成長を視野に入れ、販売地域拡大、生産能力・競争力の強化を図るとともに、利益率の改善に向けてコスト管理やIT推進に取り組む。
事業拡大に向けては、「環境機器関連事業」における海外展開の加速(特にインド)がドライバーとなる。
また、競争力強化には、「住宅機器関連事業」における木構造事業や「再生可能エネルギー関連事業」におけるPPAモデルの展開及びバイオディーゼル燃料などをポイントにあげている。
一方、コスト管理については、海外におけるスリランカモデル※の採用検討や、「住宅機器関連事業」における集中購買、不採算事業の見直しなどに取り組む。
※スリランカモデルの特徴として、1) 組立作業であるため人財育成が容易、2) 組立工場であるため初期投資が少ない、3) 運送費・税関・税金の節約となる、などが挙げられる。
5. 弊社による注目点
国内経済が成熟していくなかで、世界中の新興国で深刻化する水環境問題に着眼し、社会課題の解決を自社の成長に結び付ける方向性は、非常に魅力的で理にかなった戦略であると弊社でも評価している。
とりわけ新興国に見合った仕様やコストで、品質の高い製品・サービスを提供できる同社には大きなアドバンテージがあり、ポテンシャルの大きな市場を切り拓いていく可能性は十分にあると見ている。
そのうえで、成否を決するのは、いかに各国政府と連携を図り、主体的にレギュレーションづくりに関与できるかということと、世界で活躍できる人財の育成にあるだろう。
日本における浄化槽普及の歴史が今後のアジア・アフリカのモデルとして注目されており、高度成長期からの古い歴史を持つ同社にとっては、日本における浄化槽製造・普及の過程をアジア・アフリカに再現していくことで、環境への貢献はもちろん、同社自身の大きな飛躍にもつながると考えられる。
人財育成についても、現在進めているインドでの取り組み(インドモデル)が軌道に乗れば、そこからの人財輩出も含め、今後の海外展開を早める転機になる可能性もある。
もちろん、新興国特有の難しさもあろうが、その点は新社長のこれまでの経験や経営手腕に期待したい。
国内では、引き続きM&Aを活用した事業基盤の強化に注目している。
特に構造的な問題を抱える「住宅機器関連事業」や、ポストFITを見据えて新たなビジネスモデルを進めている「再生可能エネルギー関連事業」については様々な戦略オプションが考えられるが、これまでもM&Aを通じて事業ポートフォリオを強化してきた同社にとっては、まさに環境変化や業界の動きが激しい時こそ、新たなチャンスが巡ってくる可能性が高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)