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プロディライト Research Memo(6):成長と採算向上を両立する収益構造

発行済 2024-06-24 18:46
更新済 2024-06-24 19:00
© Reuters.
*18:46JST プロディライト Research Memo(6):成長と採算向上を両立する収益構造 ■事業概要

4. 収益構造
プロディライト (TYO:5580)の収益は、クラウドPBX「INNOVERA」、回線「IP-Line」、端末の販売でおおむね構成される。
「INNOVERA」の収益は初期設定収益及びオプションを含むシステムの月額固定の利用料金からなり、アカウント数(利用端末数)の増加とオプション利用率の上昇が成長のドライバーとなる。
「IP-Line」は初期設定収益と、月額固定の利用料金及び通話料に応じた課金からなり、チャネル数(同じ電話番号での同時利用可能者数)や通話時間を増やすことで成長が加速する。
端末販売は「Yealink」の電話端末や電子黒板の販売代金からなり、販売台数が収益の伸びを支える。
このうちシステムと回線の利用はリカーリング収益※のため、利用が多くなるほど採算が向上し、期ごとに収益が積み上がる傾向がある。
端末については、アプリを使うことによって個人所有のスマートフォンの利用へとシフトしていく考えである。


※リカーリング収益:サービスの継続的提供などにより発生する課金収益で、ストック型収益とも言う。
一般にコスト効率が高い。



同社収益のうちリカーリング収益の構成比が約8割と高率なことから、同社の今後の成長と安定収益を支えることが期待できる。
なかでも、「IP-Line」と「Yealink」はそれぞれアルテリア・ネットワークスやYealinkなどへの下払いが発生するが、「INNOVERA」は同社が独自に開発したシステムのため高収益である。
このため、同社は「INNOVERA」アカウント、「IP-Line」チャネル、リカーリング率の3つを重要指標として特別にウオッチしている。
なお、リカーリング収益が多いという特徴から、今後費用が大きく増えることはないと見られるが、パートナーシップを強化していることから、パートナー向けインセンティブが変動費的に増える可能性はあると思われる。


同社のメインターゲットは首都圏にある従業員11人~100人の中堅企業だが、初期設定を必要としない小規模向けプランの導入や、「INNOVERA PBX 2.0」へのアップデートで利用ユーザー数の上限が増えたことを背景に、従業員10人以内の士業やスタートアップ、さらに大企業へとターゲットを拡大することになった。
これに併せて、2022年9月に販売代理店制度「パートナープログラム」を開始し、主要都市圏のみならず地方まで、中堅企業のみならず小規模企業から大企業までを網羅できるようになり、拡大するクラウドPBX市場を同社の成長に取り込んでいく体制が整ったと言える。
後述するように、それまで7割だったパートナー経由の売上高が2023年8月期には8割に増えたり、大型案件が増加したりと、既にパートナーシップ強化などの効果が現れ始めたようだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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