[日本インタビュ新聞社] - ■景気減速懸念広がる、株価下落で企業の設備投資意欲に影響か?
2024年8月、東京株式市場は過去最大の下落幅を記録し、株価が乱高下する不安定な状況が続いている。東京商工リサーチが実施した企業アンケートによると、株価下落が経営に「マイナス」と回答した企業は26.0%に上り、大企業では約4割(36.8%)に達した。
■受注減少を懸念する声が76.4%、景気先行き不安が浮き彫りに
「マイナス」と回答した理由として、約8割が「景気減速感から受注が減少する可能性がある」を挙げ、約3割が「設備投資を抑制する可能性がある」と回答した。株価下落が景気悪化につながる懸念が強く表れている。
業種別では、金融商品取引業や印刷関連業、運輸附帯サービス業などで「マイナス」影響を懸念する回答が多かった。一方で、6割超の企業が「影響はない」と回答し、特に中小企業では冷静な受け止め方が目立った。
株価回復の遅れは企業活動の意欲低下につながる可能性があり、景気の先行き不安が広がっている。米国など海外の金融政策や地政学的リスクなど、株価への影響要因は多岐にわたる。企業倒産の増加傾向や金利上昇懸念も相まって、株価低迷の長期化は企業にとって新たなリスクとなりかねない状況である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)