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日本リビング保証 Research Memo(7):新中期経営計画を策定。メディアシークとの経営統合により成長加速

発行済 2024-09-18 12:07
更新済 2024-09-18 12:15
© Reuters.
*12:07JST 日本リビング保証 Research Memo(7):新中期経営計画を策定。
メディアシークとの経営統合により成長加速 ■成長戦略

1. 新中期経営計画
日本リビング保証 (TYO:7320)は2024年8月に新中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)を策定した。
そして2024年11月1日付の経営統合に伴って商号をSolvvyに変更、スローガンを「Solve with idea, Solve with you.」に変更するとともに、企業ブランドやビジネスコンセプトのリニューアルを予定している。
新商号は、Solve=「解決」にもう1つの「v」を加え、2つの「v」で「w」を表すことで、「with you=パートナーとともに」という想いを表現している。
さらに、アフターサービスを基点とした「ストックビジネスコンサルティング」を強みとして、企業におけるストックビジネスの成長を包括的にサポートするため、独自のSAaaSメソッド(SAaaSはSmart Assurance as a Serviceの頭文字)を掲げた。
保証をはじめとした各種ソリューションを組み合わせ、ストックビジネス創出に必要な仕組化に加え、顧客アプローチを通じた活性化及び収益化を支援する。


新中期経営計画では、最終年度2027年6月期の目標値として売上高11,100百万円、営業利益2,500百万円を掲げている。
売上高は経営統合シナジーにより2024年6月期比の約2倍増、営業利益も人財投資を継続しつつ約2倍増を目指す。
なお経営統合後の報告セグメントは、HomeworthTech事業、ExtendTech事業、LifeTech事業、FinTech事業、その他事業となる。
2027年6月期の売上高目標の内訳はHomeworthTech事業が6,500百万円、ExtendTech事業が2,710百万円、LifeTech事業が1,230百万円、FinTech事業が660百万円としている。
経営統合によって成長を加速する方針だ。


HomeworthTech事業は、サービスラインナップ拡充により、建物保証獲得件数の大幅増加や前受収益の損益貢献度向上を計画している。
ExtendTech事業は、「収益認識に関する会計基準」の適用による売上計上方針の見直し(分割計上比率の変更)の影響や、2025年6月期に予定していた案件が2024年6月期へ前倒しで計上したことからの反動などにより、2025年6月期については保守的な計画としている。
ただし、2026年6月期以降は再生可能エネルギー分野の需要拡大、GIGAスクール構想による教育ICT機器の入替時期の到来などで高成長を見込んでいる。
LifeTech事業は、経営統合によるシステム開発リソース拡充で、システムコンサルティング及びSaaS販売の大幅な増加を見込むほか、新規領域へのSAaaSメソッドの展開により第3の事業としての本格化を見込んでいる。
FinTech事業は、2024年8月に提供開始したSaaS×Fintechの新サービス「KROX」によるリフォームローンの売上貢献を見込み、領域横断的な事業展開を推進する。


メディアシークとの経営統合によるシナジーとして、社内ITエンジニア100名体制が実現し、ITシステム開発体制が強化されることにより、既存顧客へのSIサービスの強化やSaaS・FinTech事業の拡大早期化による収益拡大、社内ITサービス開発の内製化によるコスト削減が叶うと同社は考えている。
具体的には、同社の営業力を生かした既存クライアントへのSIサービス提供、メディアシークのIT開発力を生かしたSaaSプロダクトの競争力強化やFinTechプロダクトの早期ローンチ、メディアシークの既存プロダクトを生かしたマーケティング強化、同社の金融ノウハウや営業力を生かしたブレインテックサービスのマーケティング・販売強化、同社の資金力を生かしたスタートアップインキュベーションやM&Aの活用などを挙げている。


既存クライアントへのSIサービス提供では既に大手住宅事業者からシステムコンサルティング案件を獲得した。
SaaSプロダクトの競争力強化では「おうちbot×生成AI」の新機能を開発中である。
FinTechプロダクトの早期ローンチでは、リフォームビジネスにDXと金融を実装するSaaS×Fintechの新サービス「KROX」を2024年8月に提供開始した。
既存プロダクトを生かしたマーケティング強化では、デジタルマーケティングサービスの新規提供を推進する。
ブレインテックサービスのマーケティング・販売強化では、さらなる機能強化とともに、BtoCサブスク型ブレインテックサービスを本格展開する。
スタートアップインキュベーションやM&Aの活用では、メディアシークのノウハウと同社の資金力を融合したCVCの設立を予定している。


なお同社は現在東証グロース市場に上場しているが、メディアシークとの経営統合に伴い、東証プライム市場に上場するために必要な要件の多くにおいて充足の見通しが立つため、早期に東証プライム市場上場を目指すとしている。


2. サステナビリティ経営
同社は、サステナビリティに関する事項について、現時点では「指標と目標」を設定していないが、今後はSDGs推進室を中心に取り組みを強化する方針としている。
人的資本に関する事項については、女性管理職比率、有給休暇の平均取得率、育休からの復職率といった項目について、厚生労働省による全国の企業平均を上回ることを目標として環境整備を進めている。



経営統合シナジーの進捗状況に注目

3. アナリストの視点
同社は住宅領域のHomeworthTech事業を中心に設備延長保証サービス等の資財価値最大化ソリューションを提供し、幅広いサービスバリエーションとDXによる業務支援などを強みとして、再生可能エネルギー分野をはじめとする非住宅領域のExtendTech事業においても収益を大幅に拡大させている。
利益率の高さも特徴であり、付加価値の高いソリューションというビジネスモデルによって独自のポジションを確立している点を弊社では高く評価している。
さらに新中期経営計画で売上高・営業利益ともに2倍にする計画を打ち出すなど、メディアシークとの経営統合によって成長を加速する方針だ。
2025年6月期は一過性要因で利益率が低下するものの、同社にとって中長期的に市場シェア拡大余地や事業領域拡大余地が大きいだけに、成長加速に向けた経営統合シナジーの進捗状況に注目したいと弊社では考えている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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