*15:16JST エアーテック Research Memo(6):増益を見込むがコスト面は慎重に判断
■日本エアーテック (TYO:6291)の今後の見通し
2024年12月期の業績予想は、売上高が前期比1.1%減の13,500百万円、営業利益が同31.5%増の930百万円、経常利益が同29.7%増の1,310百万円、当期純利益が同28.4%増の940百万円と、売上高はほぼ前期並みだが、各段階利益については増益を見込んでいる。
2024年12月期第2四半期の実績を踏まえ通期業績予想を修正しており、売上高は期首予想を据え置いたが、各段階利益に関しては水準を一段と引き上げた。
引き上げ後の水準では営業利益率は6.9%(前期比1.7ポイント増)、経常利益率は9.7%(同2.3ポイント増)となる。
下半期においても電子分野、バイオ関連の設備投資は堅調という事業環境のもと、増収増益を目指す。
市場動向を概観すると、電子分野ではやはり半導体及び関連する電子部品産業の工場新設や設備増強への投資が活発で、同社への引き合いも多い。
特に半導体製造装置メーカーの投資意欲は旺盛なようで、クリーンルームのほか、クリーンルーム機器、クリーンブース等の受注が今後も継続すると見込まれる。
自動車関連ではEV関連での設備投資が堅調で、クリーンルームやクリーンルーム機器の受注増につながりそうだ。
バイオ分野はコロナ禍特需を除けば比較的業績の浮き沈みが激しくない顧客層となり、製薬メーカー等では感染症対策のためのワクチン研究等の活動に必要な研究施設や、細胞加工用クリーンルームへの設備投資が堅調で、特需の落ち込み分の穴埋めに寄与することが期待される。
利益面では業績の上方修正を行ったものの、依然保守的に見積もっていると弊社では考えている。
2024年12月期に入り、標準製品の価格転嫁や特殊製品の売価設定の見直しを実施したことにより、第2四半期の利益率改善に寄与したことから、通期でも同様の進捗が期待できる。
一方で、原価については、材料価格の高止まりや仕入先からの値上げ要請が継続する可能性があり、不透明な状況にあるとしている(実際に同社としても重要部品の自社開発や、2社購買の徹底、原価低減に向けた金型投資を継続)。
ただし、この原価の増加リスクについては不透明である分、業績予想の中に慎重に織り込んでいる。
また、さらなる受注獲得や、受注増への対応も進んでいる。
受注獲得のための施策として、各種展示会への参加を積極的に推進している。
2024年12月期に海外では中国で2回(電子・バイオ各1回)、ドイツで1回(製薬・化学・バイオ)出展し、好感触を得た。
国内については製薬・化粧品分野で「インターフェックスWeek」(大阪開催・東京開催)に、食品機械分野では「FOOMA JAPAN 2024」に出展した。
これらの対応が新規顧客の取り込みツールとして機能し、全ての会場において複数の引き合いを受けた。
受注増への対応については、2024年6月にPTFEフィルター(主に半導体製造工場のクリーンルーム等で使用する高性能フィルター)の製造ラインを伊勢崎工場から赤城スマートファクトリーへ移設した。
これまでは双方の工場においてそれぞれフィルターを製造していたが、製造を赤城スマートファクトリーに集約することで生産効率を向上させる。
移設に際して新型機械を導入したことにより、一層の量産体制強化と作業効率向上が図られている。
PTFEフィルターは0.1マイクロメートルという超微粒子を除去する機能を持ち、半導体製造の前工程(ウエハー上に電子回路を形成する工程)で回路の微細化が進む中、今後の需要の高まりが大いに期待される。
なお、伊勢崎工場では今後、標準品の製造拠点として増産を図る考えだが、板金加工設備導入により生産能力を向上させる計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
2024年12月期の業績予想は、売上高が前期比1.1%減の13,500百万円、営業利益が同31.5%増の930百万円、経常利益が同29.7%増の1,310百万円、当期純利益が同28.4%増の940百万円と、売上高はほぼ前期並みだが、各段階利益については増益を見込んでいる。
2024年12月期第2四半期の実績を踏まえ通期業績予想を修正しており、売上高は期首予想を据え置いたが、各段階利益に関しては水準を一段と引き上げた。
引き上げ後の水準では営業利益率は6.9%(前期比1.7ポイント増)、経常利益率は9.7%(同2.3ポイント増)となる。
下半期においても電子分野、バイオ関連の設備投資は堅調という事業環境のもと、増収増益を目指す。
市場動向を概観すると、電子分野ではやはり半導体及び関連する電子部品産業の工場新設や設備増強への投資が活発で、同社への引き合いも多い。
特に半導体製造装置メーカーの投資意欲は旺盛なようで、クリーンルームのほか、クリーンルーム機器、クリーンブース等の受注が今後も継続すると見込まれる。
自動車関連ではEV関連での設備投資が堅調で、クリーンルームやクリーンルーム機器の受注増につながりそうだ。
バイオ分野はコロナ禍特需を除けば比較的業績の浮き沈みが激しくない顧客層となり、製薬メーカー等では感染症対策のためのワクチン研究等の活動に必要な研究施設や、細胞加工用クリーンルームへの設備投資が堅調で、特需の落ち込み分の穴埋めに寄与することが期待される。
利益面では業績の上方修正を行ったものの、依然保守的に見積もっていると弊社では考えている。
2024年12月期に入り、標準製品の価格転嫁や特殊製品の売価設定の見直しを実施したことにより、第2四半期の利益率改善に寄与したことから、通期でも同様の進捗が期待できる。
一方で、原価については、材料価格の高止まりや仕入先からの値上げ要請が継続する可能性があり、不透明な状況にあるとしている(実際に同社としても重要部品の自社開発や、2社購買の徹底、原価低減に向けた金型投資を継続)。
ただし、この原価の増加リスクについては不透明である分、業績予想の中に慎重に織り込んでいる。
また、さらなる受注獲得や、受注増への対応も進んでいる。
受注獲得のための施策として、各種展示会への参加を積極的に推進している。
2024年12月期に海外では中国で2回(電子・バイオ各1回)、ドイツで1回(製薬・化学・バイオ)出展し、好感触を得た。
国内については製薬・化粧品分野で「インターフェックスWeek」(大阪開催・東京開催)に、食品機械分野では「FOOMA JAPAN 2024」に出展した。
これらの対応が新規顧客の取り込みツールとして機能し、全ての会場において複数の引き合いを受けた。
受注増への対応については、2024年6月にPTFEフィルター(主に半導体製造工場のクリーンルーム等で使用する高性能フィルター)の製造ラインを伊勢崎工場から赤城スマートファクトリーへ移設した。
これまでは双方の工場においてそれぞれフィルターを製造していたが、製造を赤城スマートファクトリーに集約することで生産効率を向上させる。
移設に際して新型機械を導入したことにより、一層の量産体制強化と作業効率向上が図られている。
PTFEフィルターは0.1マイクロメートルという超微粒子を除去する機能を持ち、半導体製造の前工程(ウエハー上に電子回路を形成する工程)で回路の微細化が進む中、今後の需要の高まりが大いに期待される。
なお、伊勢崎工場では今後、標準品の製造拠点として増産を図る考えだが、板金加工設備導入により生産能力を向上させる計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)