[ニューヨーク 24日 ロイター] - 来週の米株式市場は、4月1日に発表される3月の雇用統計 USUNR=ECI などの経済指標が材料視されそうだ。 連邦準備理事会(FRB)関係者からは今週、今後の利上げについて市場予想より若干タカ派的な発言が相次ぎ、株式市場にとっては弱材料となった。予想を上回る経済指標が出た場合、FRBが利上げを積極的に進める可能性があり、株価にはマイナス要因とみなされている。 ロイターの調査によると、非農業部門雇用者数は20万人増と、2月の24万2000人増を下回る伸びとなる見込み。 株価は今週、6週間ぶりに下落したものの、米経済が回復している証拠や原油価格の急回復を受け、主要な指数は昨年を大幅に上回る水準にある。年初にみられたボラティリティの高さは鳴りを潜め、多くのストラテジストが慎重ながらも前向きな見通しを持つ中、マーケットは一時休止しているようにみえる。 この中で、企業決算がカタリスト(けん引役)となる可能性がある。 トムソン・ロイターのデータによると、米企業の利益は3四半期連続で減少する見通し。アナリスト予想では第1・四半期利益は6.9%減と、2009年第3・四半期以来の大幅マイナスになるという。年初時点の2.3%増という予想からは大きく下方修正された形だ。 コモンウェルス・ファイナンシャルのブラッド・マクミラン最高投資責任者は、原油価格の安定化が一応は企業利益の減少ペースに歯止めをかけると予想。ドルの下落も利益を下支えするとみている。米国の多国籍企業は昨年、ドルの大幅上昇により打撃を受けたが、主要6通貨に対するドル指数 .DXY は年初来で2.6%下落している。 一部ではすでに決算発表が始まっているが、本格的な決算シーズンの開始は数週間後の予定だ。