米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ決定と米大統領選挙で混乱が生じる前に資金を確保しようと、米企業の借り手が今日、債券市場に殺到した。インフォーマ・グローバル・マーケッツが発表したデータによると、火曜日には35社近くの社債発行会社が新規債券の募集を開始し、レイバー・デーの週末に続いて動きが大幅に活発化している。
伝統的にハイグレード債の取引が最も忙しい今週は、2016年以降の過去の週平均と比較して投資適格債の取引量がやや減少するとの予想にもかかわらず、好調なスタートを切っている。BMOキャピタル・マーケッツの債券戦略担当ディレクター、ダン・クリーター氏によると、シンジケート・デスクは今週の投資適格債案件を約500億ドルと予想しており、平均の611億ドルから落ち込んでいる。
同レポートによると、多くの発行体は8月に入り、連邦公開市場委員会(FOMC)や間近に迫った大統領選挙に関連した市場の変動が予想されるため、早めに市場にアクセスすることを選択したという。バークレイズの債券シンジケートのグローバル・ヘッドであるピーター・トール氏は、企業が現在の借入条件を利用し、目先のリスクを軽減しようとするため、今週プライマリー発行が急増する可能性を指摘した。
8月5日以降、社債スプレッドが縮小していることも、9月の借り換えや新規取引のラッシュに寄与している。RBCグローバル・アセット・マネジメントのブルーベイ米国債券チーム責任者、アンドレイ・スキバ氏は、投資家が今年後半に予想していたような投資適格債の発行鈍化は見られないかもしれないと示唆した。
月曜日に報告されたICE BofA社債インデックスに基づくハイグレード債のスプレッドは96ベーシス・ポイントと、8月5日の112ベーシス・ポイントから縮小した。ジャンク債のスプレッドも縮小し、ICE BofAハイ・イールド債券インデックスによると、同日 の393bpから317bpに縮小した。
NYSE:HMC(ホンダ・ファイナンス)、NYSE:GM(ゼネラル・モーターズ)、NYSE:F(フォード・モーター)など、自動車金融会社による投資適格案件29件の価格決定が予定されている。
ジャンク債市場もこれに遠く及ばず、ファストフード・チェーンのバーガーキングやポピーズの親会社であるNYSE:QSR(レストラン・ブランズ)の5億ドルの売り出しを含む、少なくとも6件の売り出しが本日発表された。
この記事はロイターの寄稿によるものです。
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