*16:15JST 泉州電業 Research Memo(5):2025年10月期は2.8%の増収、6.3%の営業増益を予想
■今後の見通し
● 2025年10月期の連結業績見通し
泉州電業 (TYO:9824)の2025年10月期通期の連結業績は、売上高140,000百万円(前期比2.8%増)、営業利益11,000百万円(同6.3%増)、経常利益11,200百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,700百万円(同1.6%増)と予想されている。
平均銅価格は1,450千円/t(前期比2.9%増)との前提だ。
自動車向けが堅調であることに加え、建設向けの利益率が改善しつつあり、さらに前期にやや低調であった半導体製造装置や工作機械向けなどが回復すると見ている。
ただし銅価格については、最近の動きはやや乱高下しているため、今後の動きには一段と注意を払う必要があるようだ。
今後においては、銅価格だけでなく、堅調に推移している建設業界や自動車業界の動向に加えて、半導体製造装置や工作機械など設備投資関連業界がいつ頃底打ちから上昇に向かうかを注視する必要がある。
設備投資額は1,750百万円(前期は2,087百万円)、減価償却費は700百万円(同626百万円)が計画されている。
主な投資内容は、名古屋FAセンターの開設(2025年4月完成予定。
ケーブルアッセンブリー、制御盤組立て等)などである。
■中長期の成長戦略
新中期経営計画:2027年10月期に経常利益130億円を目指す。
収益力の向上に加えて株主還元の充実にも目標設定
1. 新中期経営計画の概要と戦略
同社は、2026年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、この計画の定量的目標を2年前倒しで達成したため、今回新たに2027年10月期を最終年度とする「中期経営計画:SS2027」を発表した。
(1) 定量的目標
定量的目標としては、2027年10月期に「連結売上高1,600億円」「経常利益130億円」「ROE15%以上」「配当性向35%以上」「株主総還元率50%以上」「PBR2.0倍以上」を掲げている。
収益力の更なる向上に加えて、株主還元の充実においても目標設定している点は注目・評価に値するだろう。
(2) 市場環境・予測
この計画を推進するにあたり、同社では主な向け先市場の動向を下記のように予測している。
a) 半導体関連
終了期(2024年10月期)は、AI関連需要は強含みだったが、製造装置関連企業の在庫調整があり横ばいであった。
今後(2025年10月期~2027年10月期)は、AI関連需要がさらに継続し、製造装置関連企業も回復すると見られることから、需要は大幅増を見込む。
b) 工作機械関連
終了期は、製造業者の在庫調整があり弱含みであったが、今後は在庫調整が終了し需要は上向くと予想。
c) 自動車関連
終了期は、堅調に推移したが、今後も、EVの加速、蓄電池関連の投資増が続く見込みで、需要は堅調に推移する見込み。
d) 再生可能エネルギー関連
終了期は、太陽光発電関連を中心に需要は堅調であったが、今後も太陽光発電、洋上風力発電需要は底堅く推移する見込み。
e) 建設関連
終了期は、大型半導体工場、再開発、データセンターなどの需要が堅調であったが、今後も同様の傾向が続き需要は強含みで推移する見込み。
f) 銅価格
終了期は急激な上昇であったが。
今後は穏やかな上昇が続くと見ている。
(3) 事業戦略
計画の推進にあたり、以下のような施策を実行していく予定だ。
a) オリジナル商品開発及び加工部門強化により直需部門の売上アップ
b) 自社ブランドを含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓推進
c) 関東地区での営業強化及び、その他地区におけるシェア拡大
上記3つの施策を実行することで、直需売上シェア30%(現在26%)、非電線売上シェア17%(同13%)を目指す。
d) JUST IN TIME体制の充実(設備投資計画、P16参照)
e) グローバル展開の強化(グループ収益力の向上)
インドへ進出。
長期目標として連結海外売上高比率30%を目指す。
f) サステナビリティ経営の推進
g) 泉州変革プロジェクト(仕入、物流、人事、新商品)の推進
上記からESGの重要課題(マテリアリティ)に対する取組みの推進(P17参照)
(4) 財務戦略
財務戦略として、「営業活動により創出するキャッシュより財務健全性を確保し、投資と株主還元に配分する」ことを基本方針としている。
2025年10月期から2027年10月期までの3年間の財務戦略(キャッシュインとアウト)を以下のように計画している。
(キャッシュイン:530億円)
営業キャッシュ・フロー:230億円
手元預金:300億円
(キャッシュアウト:530億円)
事業投資:130億円(うち設備投資100億円、M&Aほか30億円)
株主還元(50%):120億円(うち配当金90億円、自己株式取得30億円)
手元預金:280億円(月商2ヶ月分)
(5) 設備投資計画
本計画の3年間で、約100億円の設備投資を予定している。
現時点で明らかになっているものに、以下のようなものがある。
(注:これ以外に今後出てくる計画もある)
2025年10月期:名古屋FAセンター(2025年4月完成予定、ケーブルアッセンブリー、制御盤組立て)
2026年10月期:沖縄営業所(業容拡大のため現在の沖縄物流センターを格上げ、拡大)
2027年10月期:大阪本店・本社・吹田加工センター新築構想(集約による業務効率化)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
● 2025年10月期の連結業績見通し
泉州電業 (TYO:9824)の2025年10月期通期の連結業績は、売上高140,000百万円(前期比2.8%増)、営業利益11,000百万円(同6.3%増)、経常利益11,200百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,700百万円(同1.6%増)と予想されている。
平均銅価格は1,450千円/t(前期比2.9%増)との前提だ。
自動車向けが堅調であることに加え、建設向けの利益率が改善しつつあり、さらに前期にやや低調であった半導体製造装置や工作機械向けなどが回復すると見ている。
ただし銅価格については、最近の動きはやや乱高下しているため、今後の動きには一段と注意を払う必要があるようだ。
今後においては、銅価格だけでなく、堅調に推移している建設業界や自動車業界の動向に加えて、半導体製造装置や工作機械など設備投資関連業界がいつ頃底打ちから上昇に向かうかを注視する必要がある。
設備投資額は1,750百万円(前期は2,087百万円)、減価償却費は700百万円(同626百万円)が計画されている。
主な投資内容は、名古屋FAセンターの開設(2025年4月完成予定。
ケーブルアッセンブリー、制御盤組立て等)などである。
■中長期の成長戦略
新中期経営計画:2027年10月期に経常利益130億円を目指す。
収益力の向上に加えて株主還元の充実にも目標設定
1. 新中期経営計画の概要と戦略
同社は、2026年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、この計画の定量的目標を2年前倒しで達成したため、今回新たに2027年10月期を最終年度とする「中期経営計画:SS2027」を発表した。
(1) 定量的目標
定量的目標としては、2027年10月期に「連結売上高1,600億円」「経常利益130億円」「ROE15%以上」「配当性向35%以上」「株主総還元率50%以上」「PBR2.0倍以上」を掲げている。
収益力の更なる向上に加えて、株主還元の充実においても目標設定している点は注目・評価に値するだろう。
(2) 市場環境・予測
この計画を推進するにあたり、同社では主な向け先市場の動向を下記のように予測している。
a) 半導体関連
終了期(2024年10月期)は、AI関連需要は強含みだったが、製造装置関連企業の在庫調整があり横ばいであった。
今後(2025年10月期~2027年10月期)は、AI関連需要がさらに継続し、製造装置関連企業も回復すると見られることから、需要は大幅増を見込む。
b) 工作機械関連
終了期は、製造業者の在庫調整があり弱含みであったが、今後は在庫調整が終了し需要は上向くと予想。
c) 自動車関連
終了期は、堅調に推移したが、今後も、EVの加速、蓄電池関連の投資増が続く見込みで、需要は堅調に推移する見込み。
d) 再生可能エネルギー関連
終了期は、太陽光発電関連を中心に需要は堅調であったが、今後も太陽光発電、洋上風力発電需要は底堅く推移する見込み。
e) 建設関連
終了期は、大型半導体工場、再開発、データセンターなどの需要が堅調であったが、今後も同様の傾向が続き需要は強含みで推移する見込み。
f) 銅価格
終了期は急激な上昇であったが。
今後は穏やかな上昇が続くと見ている。
(3) 事業戦略
計画の推進にあたり、以下のような施策を実行していく予定だ。
a) オリジナル商品開発及び加工部門強化により直需部門の売上アップ
b) 自社ブランドを含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓推進
c) 関東地区での営業強化及び、その他地区におけるシェア拡大
上記3つの施策を実行することで、直需売上シェア30%(現在26%)、非電線売上シェア17%(同13%)を目指す。
d) JUST IN TIME体制の充実(設備投資計画、P16参照)
e) グローバル展開の強化(グループ収益力の向上)
インドへ進出。
長期目標として連結海外売上高比率30%を目指す。
f) サステナビリティ経営の推進
g) 泉州変革プロジェクト(仕入、物流、人事、新商品)の推進
上記からESGの重要課題(マテリアリティ)に対する取組みの推進(P17参照)
(4) 財務戦略
財務戦略として、「営業活動により創出するキャッシュより財務健全性を確保し、投資と株主還元に配分する」ことを基本方針としている。
2025年10月期から2027年10月期までの3年間の財務戦略(キャッシュインとアウト)を以下のように計画している。
(キャッシュイン:530億円)
営業キャッシュ・フロー:230億円
手元預金:300億円
(キャッシュアウト:530億円)
事業投資:130億円(うち設備投資100億円、M&Aほか30億円)
株主還元(50%):120億円(うち配当金90億円、自己株式取得30億円)
手元預金:280億円(月商2ヶ月分)
(5) 設備投資計画
本計画の3年間で、約100億円の設備投資を予定している。
現時点で明らかになっているものに、以下のようなものがある。
(注:これ以外に今後出てくる計画もある)
2025年10月期:名古屋FAセンター(2025年4月完成予定、ケーブルアッセンブリー、制御盤組立て)
2026年10月期:沖縄営業所(業容拡大のため現在の沖縄物流センターを格上げ、拡大)
2027年10月期:大阪本店・本社・吹田加工センター新築構想(集約による業務効率化)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)