■決算動向
(1) 2017年3月期第2四半期累計の業績概要
デリカフーズ (T:3392)の2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同四半期比7.4%増の16,695百万円、営業利益が同10.9%減の185百万円、経常利益が同5.3%減の199百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同1.3%減の128百万円となった。
売上高については、同社の積極的なメニュー提案やフードディフェンスを含めた食品安全確保・リスク管理体制などが評価され、既存顧客での取引シェア拡大、並びに新規顧客の獲得が進んだことや、2015年4月に開設した奈良FSセンターの稼働率向上などが寄与して期初計画を上回って推移した。
業態別の売上構成比で見ると、ファミリーレストラン向けが前年同期比で1.1ポイント上昇の58.1%となった一方で、ファストフード向けが同1.2ポイント低下の11.3%となったが、その他は大きな変動が見られなかった。
増収にも関わらず減益となったのは、天候不順や台風被害による野菜の収穫量の大幅な落ち込みで、野菜調達価格が上昇したほか、野菜品質の悪化による作業効率低下や廃棄ロスが生じたことに加えて、6月に稼働を開始した西東京FSセンターの立ち上げ費用等の負担増が主因となっている。
野菜調達価格の上昇や作業効率低下の影響で約50百万円、西東京FSセンターの立ち上げ費用等負担増で約133百万円の減益要因となった。
西東京FSセンターについては期初計画で80百万円の経常損失を見込んでいたが、結果的に133百万円に経常損失額が膨らむことになった。
これは立ち上げ段階で作業スタッフが計画どおり集まらなかったことや取引先の都合等もあって、当初想定よりも本格立ち上げが2ヶ月ほど遅れたことに加えて、真空加熱野菜※の量産ラインで追加投資を実施し、それにかかる人件費や消耗品費、減価償却費などが増加したことが主因となっている。
なお、追加ラインは顧客企業からの要請により、個食対応パッケージのラインを増設したものとなっている。
※真空加熱野菜…野菜のおいしさと鮮度を重視した加熱調理済みの野菜であり、「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ第4の調理方法として、食材と調味液をフィルム袋に入れて真空密封し、調理器で材料に応じた時間と設定温度にて調理する。
外食産業等においては、湯煎や電子レンジなどで再加熱するだけで提供でき、人手不足が慢性化するなか、調理時間を短縮することができるほか、メニューの拡充が可能となる。
また、主に根菜類を材料とするため天候不順時における価格変動の影響を受け難いこともメリットとなる。
(2)部門別、エリア別動向
部門別の売上高で見ると、カット野菜が前年同期比9.0%増の5,999百万円、ホール野菜が同5.8%増の8,632百万円、その他が同9.5%増の2,063百万円となった。
厨房での省力化や調理の短時間化、ごみ減量化、衛生面のメリットから外食、中食業界問わず、カット野菜の需要が拡大している。
その他部門については日配品や業務委託分の売上高が伸びたほか、外食企業向けのコンサルティング業務や青果物の受託分析サービスなども順調に増加している。
また、2015年5月より開始した韓国企業2社向けのコンサルティングサービス(カット野菜の製造ノウハウの供与)も継続しており、前年同期並みの売上高を計上した。
エリア別の業績を見ると関東地区(東北、九州地区含む)の売上高は前年同四半期比7.7%増の10,899百万円、経常利益は同92.5%減の12百万円となった。
新規顧客の開拓や既存顧客での取引シェアが拡大したことにより売上高は順調に拡大した。
利益面では8月以降の相次ぐ台風上陸や記録的な日照不足・低温等の影響で、野菜不足による調達価格の上昇と品質悪化に伴う作業効率の低下及び廃棄ロスの増加、西東京FSセンターの立ち上げ費用等の負担増などが減益要因となった。
東海地区の売上高は前年同四半期比1.6%減の2,490百万円、経常利益は同96.3%増の78百万円となった。
売上高は大手外食チェーンの購買費率見直しやキャンペーン縮小等による既存顧客の販売減が影響して減収となったが、利益面では在庫管理の徹底による廃棄ロスの削減や、物流体制の整備による物流コストの削減が寄与して増益となった。
近畿地区の売上高は前年同期比14.7%増の3,309百万円、経常利益は63百万円(前年同四半期は25百万円の損失)となった。
売上高は奈良FSセンターの稼働率向上が寄与し2ケタ増収となった。
利益面では、7月の豪雨や8月の台風上陸、記録的な日照不足・低温等の影響で野菜調達価格の上昇や作業効率の低下、廃棄ロスの増加があったものの、奈良FSセンターの立ち上げ費用等の負担が集中した前年同四半期と比較すれば増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
(1) 2017年3月期第2四半期累計の業績概要
デリカフーズ (T:3392)の2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同四半期比7.4%増の16,695百万円、営業利益が同10.9%減の185百万円、経常利益が同5.3%減の199百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同1.3%減の128百万円となった。
売上高については、同社の積極的なメニュー提案やフードディフェンスを含めた食品安全確保・リスク管理体制などが評価され、既存顧客での取引シェア拡大、並びに新規顧客の獲得が進んだことや、2015年4月に開設した奈良FSセンターの稼働率向上などが寄与して期初計画を上回って推移した。
業態別の売上構成比で見ると、ファミリーレストラン向けが前年同期比で1.1ポイント上昇の58.1%となった一方で、ファストフード向けが同1.2ポイント低下の11.3%となったが、その他は大きな変動が見られなかった。
増収にも関わらず減益となったのは、天候不順や台風被害による野菜の収穫量の大幅な落ち込みで、野菜調達価格が上昇したほか、野菜品質の悪化による作業効率低下や廃棄ロスが生じたことに加えて、6月に稼働を開始した西東京FSセンターの立ち上げ費用等の負担増が主因となっている。
野菜調達価格の上昇や作業効率低下の影響で約50百万円、西東京FSセンターの立ち上げ費用等負担増で約133百万円の減益要因となった。
西東京FSセンターについては期初計画で80百万円の経常損失を見込んでいたが、結果的に133百万円に経常損失額が膨らむことになった。
これは立ち上げ段階で作業スタッフが計画どおり集まらなかったことや取引先の都合等もあって、当初想定よりも本格立ち上げが2ヶ月ほど遅れたことに加えて、真空加熱野菜※の量産ラインで追加投資を実施し、それにかかる人件費や消耗品費、減価償却費などが増加したことが主因となっている。
なお、追加ラインは顧客企業からの要請により、個食対応パッケージのラインを増設したものとなっている。
※真空加熱野菜…野菜のおいしさと鮮度を重視した加熱調理済みの野菜であり、「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ第4の調理方法として、食材と調味液をフィルム袋に入れて真空密封し、調理器で材料に応じた時間と設定温度にて調理する。
外食産業等においては、湯煎や電子レンジなどで再加熱するだけで提供でき、人手不足が慢性化するなか、調理時間を短縮することができるほか、メニューの拡充が可能となる。
また、主に根菜類を材料とするため天候不順時における価格変動の影響を受け難いこともメリットとなる。
(2)部門別、エリア別動向
部門別の売上高で見ると、カット野菜が前年同期比9.0%増の5,999百万円、ホール野菜が同5.8%増の8,632百万円、その他が同9.5%増の2,063百万円となった。
厨房での省力化や調理の短時間化、ごみ減量化、衛生面のメリットから外食、中食業界問わず、カット野菜の需要が拡大している。
その他部門については日配品や業務委託分の売上高が伸びたほか、外食企業向けのコンサルティング業務や青果物の受託分析サービスなども順調に増加している。
また、2015年5月より開始した韓国企業2社向けのコンサルティングサービス(カット野菜の製造ノウハウの供与)も継続しており、前年同期並みの売上高を計上した。
エリア別の業績を見ると関東地区(東北、九州地区含む)の売上高は前年同四半期比7.7%増の10,899百万円、経常利益は同92.5%減の12百万円となった。
新規顧客の開拓や既存顧客での取引シェアが拡大したことにより売上高は順調に拡大した。
利益面では8月以降の相次ぐ台風上陸や記録的な日照不足・低温等の影響で、野菜不足による調達価格の上昇と品質悪化に伴う作業効率の低下及び廃棄ロスの増加、西東京FSセンターの立ち上げ費用等の負担増などが減益要因となった。
東海地区の売上高は前年同四半期比1.6%減の2,490百万円、経常利益は同96.3%増の78百万円となった。
売上高は大手外食チェーンの購買費率見直しやキャンペーン縮小等による既存顧客の販売減が影響して減収となったが、利益面では在庫管理の徹底による廃棄ロスの削減や、物流体制の整備による物流コストの削減が寄与して増益となった。
近畿地区の売上高は前年同期比14.7%増の3,309百万円、経常利益は63百万円(前年同四半期は25百万円の損失)となった。
売上高は奈良FSセンターの稼働率向上が寄与し2ケタ増収となった。
利益面では、7月の豪雨や8月の台風上陸、記録的な日照不足・低温等の影響で野菜調達価格の上昇や作業効率の低下、廃棄ロスの増加があったものの、奈良FSセンターの立ち上げ費用等の負担が集中した前年同四半期と比較すれば増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)