[北京 26日 ロイター] - 中国の金融財政当局は26日、中小企業向けの融資促進や航空会社への補助金支給などの支援措置を打ち出した。
李克強首相は25日に開かれた全国の当局者会議で、経済的困難はある面で、新型コロナウイルス流行当初の2020年よりも大きくなっているとの認識を示した。
調査会社ゲイブカル・ドラゴノミクスはリポートで「異例の会議」と指摘。ロックダウン(都市封鎖)による混乱を乗り切るための緊急の発表がここ数日増えているとし、数週間以内により積極的な措置が打ち出される可能性があるとの見方を示した。
中国人民銀行(中央銀行)は26日、小規模事業者への融資を促進し、金融機関の貸し出し意欲を高めると表明した。国内銀行に対し、新型コロナ流行で打撃を受けた地域や業種のほか、中部・西部地域への融資を優先するよう要請した。
財政省はコロナや燃料価格高の打撃を受けている航空会社を支援するため、5月21日から7月20日まで補助金を出すと発表した。国内便の1日平均便数など一定基準を設けた上で、赤字便で1時間当たり最大2万4000元(3574ドル)支給するとした。
中国民用航空局(CAAC)によると、4月の航空旅客数は前年同月比85%近く急減し、コロナ禍前の水準の15%にとどまった。
一方、中国乗用車協会(CPCA)が発表した5月の第3週までの乗用車小売販売台数は、4月の同期間を34%上回り、明るい兆しも見られた。ただ、厳格なコロナ関連規制で所得が打撃を受け、前年同期比では16%減少した。
野村グローバル・エコノミクスは、先週の道路貨物輸送と配送センターからの速達便はいずれも前月より好調だったが、依然として前年比では大幅に減少していると指摘した。