以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家元・社長氏(ブログ「元投資顧問会社社長のチラシの裏」)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年6月16日15時に執筆
様々な業界で人材不足が叫ばれるようになってきた今、自社の従業員だけではなく外部の在宅ワーカーを有効活用して業績を伸ばしていこうとしている面白い企業があります。
本日は、クラウドソーシングを効率的に活用してするうるる (T:3979)を深掘り特集していきたいと思います。
■うるる (T:3979)の会社情報
▽うるる (T:3979)とは?
クラウドソーシングサービス『シュフティ』を運営するのがうるる (T:3979)です。
クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事の具体的な内容や報酬、募集定員などを告知し、不特定多数の人材に業務を発注する仕組みの事を指します。
うるる (T:3979)の運営するクラウドソーシングサイト『シュフティ』は、仕事を引き受けるユーザー数358,208名(6月15日時点)、クライアント企業数13,702社を誇る規模となっており、着実にユーザー数を増加させています。
うるる (T:3979)の興味深い点は、自社のクラウドソーシングサイトである『シュフティ』の登録ユーザーを積極活用しながら、自社の独自運営サービスを手掛けている点にあると言えます。
例えば、全国の自治体の公共事業の入札情報を速報で提供するサービス『NJSS』。
シュフティのユーザーが全国の自治体の公共事業などの入札情報をウォッチし、うるる (T:3979)が指定したフォーマットに沿って情報を入力・送信。
こうして収集した入札情報データを、建設会社などが低コストで閲覧可能となるサービスとなります。
建設会社などからの評価も高く、利用企業数は順調に増加中。
2017年5月末時点で、約2,500社程度の企業が利用するサービスに育っています。
NJSS以外にも、データ入力サービスやスキャニングサービス、全国の幼稚園情報や口コミなどを掲載した園ナビ、幼稚園の行事などで撮影された写真等を販売する園ナビフォト、空き家情報を集約した空き家活用ポータルなど、様々な派生サービスを展開中となります。
▽ファンダメンタルズ面からのうるる (T:3979)考察
17年3月期の決算では、売上高、営業利益、経常利益、純利益共に会社予想から上振れして着地したうるる (T:3979)ですが、営業キャッシュフローもマイナスからプラスに改善。
上記でも説明した通り、クラウドソーシングサイトの『シュフティ』や自治体の公共事業の入札情報を速報で提供するサービス『NJSS』の利用者増加が業績に貢献しています。
予想PERは42倍台と、情報通信セクターの平均値よりも高めとはなっていますが、しっかりと業績もついてきているため、現時点では特に問題視せずとも良い数字なのではないでしょうか。
右肩上がりのクラウドソーシング事業、CGS事業(NJSS)に加え、BPO事業でもノウハウが蓄積されてきており、3事業のシナジーが更に高まっていく事により、売上高、利益率共に更なる成長が見込めると考えています。
■うるる (T:3979)のチャート分析
うるる (T:3979)の現在株価は、4,595円(2017年6月16日終値)となっています。
▽日足で考えるうるる (T:3979)の短期売買シナリオ
うるる (T:3979)の日足チャートを見てみると、
・2017年4月13日の安値2,980円
・2017年5月10日の安値3,710円
を結んだサポートラインを、2017年6月15日に割ってきたことで、チャート形状にが崩れかかってきています。
4,500円近辺で踏みとどまると想定していますが、仮にこのラインを割ってきた場合には心理的節目でもある4,000円の攻防となる可能性が高くなります。
上値の目処に関しては、
・2017年6月1日の高値5,600円
・2017年6月2日の高値5,590円
を結んだラインが、当面の上値抵抗線として考えることが出来ます。
特に短期的に期待できそうな材料なども無く、単純に短期の値幅取りという目線で考えるのであれば、上値抵抗線を上方向に突破してくるタイミングまで『待ちの姿勢』で様子見しておくのが無難かもしれません。
短期売買エントリーポイント:上値抵抗線を上方向にブレイクするタイミングまで待ち
▽週足で考えるうるる (T:3979)の中長期売買シナリオ
株価は4,000円台ということもあり、日本株投資のビギナー投資家にとっては大きな投資金額となります。
個人的にもうるる (T:3979)の事業構造には大変興味を持っており、今後の展開にも大いに期待したいところなのですが、2017年3月の上場ということで、まだチャート自体にも特徴などがなく、長期投資を考える上での判断材料が不足していると言うのが正直な所。
個人的には、流動性の向上を目的とした株式分割等もあるのではないか?と考えていますが、あくまで推測の域を出ません。
中長期の投資の場合には、もう少し様子を見ても良いのではないでしょうか。
中長期売買エントリーポイント:分析材料不足のため、無し。
■うるる (T:3979)の総合評価
※2017年6月16日段階
うるる (T:3979)のビジネスモデルは、CGS(クラウドワーカーを活用した事業)、クラウドソーシング事業、BPO事業と3つの事業ポートフォリオから成り立っています。
GCM、BPOの成長は、共にクラウドソーシング事業である『シュフティ』の利用者増と密接な関係があり、今後、他のクラウドソーシングサービスとどう差別化して利用者を伸ばしていけるかがポイントとなるのではないでしょうか。
同じクラウドソーシング事業を手がけるクラウドワークス (T:3900)は営業赤字の見込み、リアルワールド (T:3691)は売上高営業利益率が約3%と、同業他社と比べても収益性の高さはうるる (T:3979)(同14%)の特徴として着目したいところです。
テクニカルで分析した際には、短期・長期共に買い付けるタイミングではありませんが、うるる (T:3979)に関しては、そのビジネスモデルや高い収益性・今後の成長余地を考えると、個人投資家だけではなくファンドなども感心を寄せている可能性が高いと判断しています。
その為、投資資金に余裕がある個人投資家の方に関しては4,500円前後でエントリーしていくのも有効な手ではないでしょうか。
どちらにせよ、CGS事業の横展開により収益の上積みは充分に狙っていける企業かと考えていますので、今後も継続的にウオッチしていきたいと考えています。
当ブログでは、個人的に注目しているテーマ関連株情報の深掘り、個別銘柄の分析、世界経済や相場全体の今後の流れ、投資全般に役立つ情報を定期的に発信しています。
当記事のチャート付き解説などもありますので、ブログも併せてお読み頂けますとより深くご理解頂けると考えています。
「投資顧問会社社長 ブログ」で検索してもらえれば、当ブログ「元投資顧問会社社長のチラシの裏」が出てくると思いますので、何卒宜しくお願い致します。
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執筆者名:元・社長
ブログ名:元投資顧問会社社長のチラシの裏
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年6月16日15時に執筆
様々な業界で人材不足が叫ばれるようになってきた今、自社の従業員だけではなく外部の在宅ワーカーを有効活用して業績を伸ばしていこうとしている面白い企業があります。
本日は、クラウドソーシングを効率的に活用してするうるる (T:3979)を深掘り特集していきたいと思います。
■うるる (T:3979)の会社情報
▽うるる (T:3979)とは?
クラウドソーシングサービス『シュフティ』を運営するのがうるる (T:3979)です。
クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事の具体的な内容や報酬、募集定員などを告知し、不特定多数の人材に業務を発注する仕組みの事を指します。
うるる (T:3979)の運営するクラウドソーシングサイト『シュフティ』は、仕事を引き受けるユーザー数358,208名(6月15日時点)、クライアント企業数13,702社を誇る規模となっており、着実にユーザー数を増加させています。
うるる (T:3979)の興味深い点は、自社のクラウドソーシングサイトである『シュフティ』の登録ユーザーを積極活用しながら、自社の独自運営サービスを手掛けている点にあると言えます。
例えば、全国の自治体の公共事業の入札情報を速報で提供するサービス『NJSS』。
シュフティのユーザーが全国の自治体の公共事業などの入札情報をウォッチし、うるる (T:3979)が指定したフォーマットに沿って情報を入力・送信。
こうして収集した入札情報データを、建設会社などが低コストで閲覧可能となるサービスとなります。
建設会社などからの評価も高く、利用企業数は順調に増加中。
2017年5月末時点で、約2,500社程度の企業が利用するサービスに育っています。
NJSS以外にも、データ入力サービスやスキャニングサービス、全国の幼稚園情報や口コミなどを掲載した園ナビ、幼稚園の行事などで撮影された写真等を販売する園ナビフォト、空き家情報を集約した空き家活用ポータルなど、様々な派生サービスを展開中となります。
▽ファンダメンタルズ面からのうるる (T:3979)考察
17年3月期の決算では、売上高、営業利益、経常利益、純利益共に会社予想から上振れして着地したうるる (T:3979)ですが、営業キャッシュフローもマイナスからプラスに改善。
上記でも説明した通り、クラウドソーシングサイトの『シュフティ』や自治体の公共事業の入札情報を速報で提供するサービス『NJSS』の利用者増加が業績に貢献しています。
予想PERは42倍台と、情報通信セクターの平均値よりも高めとはなっていますが、しっかりと業績もついてきているため、現時点では特に問題視せずとも良い数字なのではないでしょうか。
右肩上がりのクラウドソーシング事業、CGS事業(NJSS)に加え、BPO事業でもノウハウが蓄積されてきており、3事業のシナジーが更に高まっていく事により、売上高、利益率共に更なる成長が見込めると考えています。
■うるる (T:3979)のチャート分析
うるる (T:3979)の現在株価は、4,595円(2017年6月16日終値)となっています。
▽日足で考えるうるる (T:3979)の短期売買シナリオ
うるる (T:3979)の日足チャートを見てみると、
・2017年4月13日の安値2,980円
・2017年5月10日の安値3,710円
を結んだサポートラインを、2017年6月15日に割ってきたことで、チャート形状にが崩れかかってきています。
4,500円近辺で踏みとどまると想定していますが、仮にこのラインを割ってきた場合には心理的節目でもある4,000円の攻防となる可能性が高くなります。
上値の目処に関しては、
・2017年6月1日の高値5,600円
・2017年6月2日の高値5,590円
を結んだラインが、当面の上値抵抗線として考えることが出来ます。
特に短期的に期待できそうな材料なども無く、単純に短期の値幅取りという目線で考えるのであれば、上値抵抗線を上方向に突破してくるタイミングまで『待ちの姿勢』で様子見しておくのが無難かもしれません。
短期売買エントリーポイント:上値抵抗線を上方向にブレイクするタイミングまで待ち
▽週足で考えるうるる (T:3979)の中長期売買シナリオ
株価は4,000円台ということもあり、日本株投資のビギナー投資家にとっては大きな投資金額となります。
個人的にもうるる (T:3979)の事業構造には大変興味を持っており、今後の展開にも大いに期待したいところなのですが、2017年3月の上場ということで、まだチャート自体にも特徴などがなく、長期投資を考える上での判断材料が不足していると言うのが正直な所。
個人的には、流動性の向上を目的とした株式分割等もあるのではないか?と考えていますが、あくまで推測の域を出ません。
中長期の投資の場合には、もう少し様子を見ても良いのではないでしょうか。
中長期売買エントリーポイント:分析材料不足のため、無し。
■うるる (T:3979)の総合評価
※2017年6月16日段階
うるる (T:3979)のビジネスモデルは、CGS(クラウドワーカーを活用した事業)、クラウドソーシング事業、BPO事業と3つの事業ポートフォリオから成り立っています。
GCM、BPOの成長は、共にクラウドソーシング事業である『シュフティ』の利用者増と密接な関係があり、今後、他のクラウドソーシングサービスとどう差別化して利用者を伸ばしていけるかがポイントとなるのではないでしょうか。
同じクラウドソーシング事業を手がけるクラウドワークス (T:3900)は営業赤字の見込み、リアルワールド (T:3691)は売上高営業利益率が約3%と、同業他社と比べても収益性の高さはうるる (T:3979)(同14%)の特徴として着目したいところです。
テクニカルで分析した際には、短期・長期共に買い付けるタイミングではありませんが、うるる (T:3979)に関しては、そのビジネスモデルや高い収益性・今後の成長余地を考えると、個人投資家だけではなくファンドなども感心を寄せている可能性が高いと判断しています。
その為、投資資金に余裕がある個人投資家の方に関しては4,500円前後でエントリーしていくのも有効な手ではないでしょうか。
どちらにせよ、CGS事業の横展開により収益の上積みは充分に狙っていける企業かと考えていますので、今後も継続的にウオッチしていきたいと考えています。
当ブログでは、個人的に注目しているテーマ関連株情報の深掘り、個別銘柄の分析、世界経済や相場全体の今後の流れ、投資全般に役立つ情報を定期的に発信しています。
当記事のチャート付き解説などもありますので、ブログも併せてお読み頂けますとより深くご理解頂けると考えています。
「投資顧問会社社長 ブログ」で検索してもらえれば、当ブログ「元投資顧問会社社長のチラシの裏」が出てくると思いますので、何卒宜しくお願い致します。
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執筆者名:元・社長
ブログ名:元投資顧問会社社長のチラシの裏