21日の中国本土市場は値上がり。
主要指標の上海総合指数は、前日比35.36ポイント(1.23%)高の2905.97ポイントと3日ぶりに反発した。
上海A株指数も上昇し、37.04ポイント(1.23%)高の3043.53ポイントで取引を終えている。
中国の政策期待が強まった。
米中貿易摩擦による景気悪化の懸念がくすぶるなか、当局は一段の景気対策を打ち出すとの観測が改めて強まっている。
中国人民銀行(中央銀行)が朝方、リバースレポ取引を通じ、9営業日ぶりに資金供給したこともプラスだ。
米中対立の激化を警戒した売りが先行したものの、下値は固く、指数はほどなくプラスに転じ、中盤から上げ幅を広げている。
業種別では、レアアースや非鉄、建材、鉄鋼など素材関連が高い。
なかでも、レアアースの中国北方稀土(600111/SH)は値幅いっぱいまで買われた。
中国の習近平・国家主席は20日、希土類磁石メーカーの江西金力永磁科技(300748/SZ)を視察。
政府が国家戦略物質として、レアアース産業を支援するとの期待が続いている。
市場関係者の間からは、米国との通商交渉のカードとして、中国がレアアースを利用する可能性も指摘された。
深セン上場の江西金力永磁科技は、連日でストップ高している。
ハイテク株も急伸。
LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)、通信機器メーカーの東方通信(600776/SH)などがそろってストップ高した。
ハイテク分野の米中対立を背景に、当局は先端技術製品の内製化に注力するとの見方が浮上している。
このほか不動産株、医薬品株、消費関連株、自動車株、運輸関連株、金融株など幅広く物色された。
外貨建てB株も値上がり。
上海B株指数が3.48ポイント(1.20%)高の293.07ポイント、深センB株指数が11.58ポイント(1.24%)高の947.09ポイントで終了した。
【亜州IR】