[東京 31日 ロイター] - 松野博一官房長官は31日午前の会見で、新型コロナウイルス感染症のリバウンドの可能性について、政府として「今後しばらくは最大限の警戒を保つ」と述べた。
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが30日、全国の新規感染者数が約1カ月半ぶりに増加に転じたことを受け、コロナ感染リバウンドの可能性を指摘した。松野長官は、感染者が再び増加に転じた場合にも「昨年11月に取りまとめた全体像で準備してきた保健医療態勢をしっかりと稼働させていくことを基本に適切に対応していく」と語った。
一方、為替の円安について政府と黒田東彦日銀総裁の間で見解の相違があるのではないかとの質問に対し、松野長官は「黒田総裁の個々の発言についてコメントすることは差し控えたいが、総裁も為替の安定は極めて重要との旨を述べられていると承知している」と説明。
政府としても、為替の安定は重要で急速な変動は望ましくないと考えており、「特に最近の円安の進行を含め、為替市場の動向や日本経済への影響をしっかりと緊張感を持って注視していきたい」と改めて強調した。
黒田総裁は円安が進行する中、25日の衆院財務金融委員会で「為替円安が全体として日本経済にプラスに作用しているという基本的な構図は変わりない」と発言。一方、政府は最近の円安進行について警戒感を示すような発信を続けている。
(杉山健太郎 編集:田中志保)