米ドルとの価格ペッグ型の仮想通貨テザー(USDT)が、価値の担保に関する説明文を訂正したことで再度議論を呼んでいる。
テザーは1USDT=1ドルとなるよう価格をペッグさせて、その価値担保としてUSDT発行量と同額の米ドルをテザー社が準備金として保有することでいつでもUSDTとドルを交換できる状態であるとうたう仮想通貨だった。
しかし今週、同社のホームページ上でこの価値担保に関する説明が下記のように変更されていることが発見された。
「すべてのテザーは、テザー社が保有する法定通貨および現金同等物とともに、時折テザー社が関連会社を含む第三者への貸付の債権やその他の資産に100%価値を担保される」これについて、投資家はオンライン上のフォーラムなどでこの変更点を指摘してテザー社からの声明を求めているが、テザー社はツイッター上などで「USDT価格は完全に安定しており、テザー社の保有する準備金は常にUSDT発行数と同数かそれを超える量となっている」と発信しているのみである。
ただし、仮想通貨メディアCCNがテザーとCEOが同じである仮想通貨取引所ビットフィネックスの親会社にあたるアイフィネックス(iFinex)のマーケティング・ディレクターに取材したところ、この変更は数週間前に実施され、担保となる資産の校正が変更されたことを確認したとしている。
また上の取材の中でアイフィネックス社は、前述のツイッター上の発信とも重複するが、「テザー価格は完全に安定しており、テザー社の保有する準備金は常に発行されたUSDT数と同じかそれ以上である。
唯一の変更は、その裏付けを提供する資産の構成に現金、現金同等物、そしてその他の資産またはテザー社が発行した貸付からの債権を含むこともあるという点」と説明している。
テザー社は昨年から、仮想通貨の市場操作に悪用されているのではないか、またテザー社がUSDTと同量の米ドルを実際には保有していないのではないかといった疑惑がたびたび取り上げられていた。
今回の担保となる資産構成の変更についても、公の情報開示が待たれる。