仮想通貨調査会社Chainalysisが、これまでの大型の仮想通貨ハッキング事件の多くが2つの組織によって行われた可能性が高いとする新たな報告書を出した。
ウォールストリートジャーナルの報道によれば、Chainalysisによる新たな調査報告書では仮想通貨の取引の流れを分析した結果、巨額のハッキング事件の多くは単独のハッカーの犯行ではなく2つの組織に集約される可能性が高いと指摘している。
調査チームでは仮にこの組織にそれぞれ「アルファ」と「ベータ」と名付けた。
アルファとベータによって盗難された仮想通貨の被害額は10億ドルにのぼるとChainalysisは分析している。
どちらの組織も、盗難した仮想通貨資産を現金に換える前に資金洗浄するためデジタル・ウォレット(仮想通貨を保管する場所)のネットワークを構築しているが、その戦略は異なることも指摘する。
報告書によると、アルファは盗難した仮想通貨をすぐに何千もの取引を通して動かし、平均して1ヶ月の間に資産の75%ほどを現金に交換しており、Chainalysisはこの組織を「少なくとも一部においては、非金銭的な目的で動いている」可能性があると推測する。
一方でベータは、盗難した仮想通貨資産を移動するのに18ヶ月も待つこともあり、恐らくは世間の注目が途切れるのを待っていた。
また、現金化する準備が整い次第すぐに1つの取引所で数日のうちに50%以上の資産を現金化しているため、「確実に金銭を得ることが目的」と見ている。