15日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比508.55ポイント(2.06%)安の24158.54ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が158.49ポイント(1.60%)安の9762.28ポイントとそろって3日ぶりに反落した。
売買代金は1305億3800万香港ドルに縮小している(14日は1543億4900万香港ドル)。
ハイテク分野を巡る米中対立激化が再び懸念される流れ。
外電は14日、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を展開するマ蟻科技集団(アント・グループ)について、米政権が禁輸措置対象リスト(エンティティ・リスト)に加えることを検討していると報じた。
また、欧州や米国で、新型コロナウイルス感染が再び拡大していることもネガティブ材料視されている。
取引時間中に始まった欧州市場の株安や、時間外取引のNYダウが下げ幅を拡大したことを嫌気し、香港の各指数は引けにかけて一段安となっている。
足元で報告された9月の中国経済統計はまちまちの内容。
中国人民銀行(中央銀行)が14日公表した金融統計では、新規融資が予想以上に拡大した。
また、マネーサプライも予想以上に伸びている。
半面、朝方発表された物価統計では、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)が2.1%下落し、予想(-1.8%)を超えてマイナス率が拡大した。
(亜州リサーチ編集部)ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連が急落。
ハンセン科技指数は3.6%安と3日ぶりに反落した(構成30銘柄のうち29がマイナス)。
組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、上記したアリババが4.3%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.8%安、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が4.8%安、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が3.4%安で取引を終えている。
アリババとテンセント、美団点評は前日、上場来高値をそろって更新していた。
ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち48が下落)。
上記した「ニューエコノミー」関連のほか、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が3.7%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.1%安、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.0%安と値下がり率上位に並んだ。
半面、中国の銀行セクターの一角はしっかり。
中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が2.4%高、招商銀行(3968/HK)が1.6%高、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が1.0%高、中国農業銀行(1288/HK)が0.8%高、中国民生銀行(1988/HK)が0.7%高と上昇した。
業績動向を支援材料とした個別株物色もみられる。
1~9月期決算の増益見通しを手がかりに、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.4%高と値を上げた。
そのほか、鉄鋼メーカーの鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が13.0%高と急伸。
1~9月期は減益を強いられるものの、直近の3Qベースでは大幅増益になるとの予測が好感された。
一方、本土市場は小幅ながら続落。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.26%安の3332.18ポイントで取引を終えた。
ITハイテク株が安い。
食品飲料株、運輸株、インフラ関連株、素材株、不動産株、医薬品株、証券株、公益株なども売られた。
半面、銀行・保険株は買われている。
亜州リサーチ(株)