[ドバイ 17日 ロイター] - サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が、第3・四半期に北米株式への投資を30億ドル減らしたことが、規制当局への提出書類で16日遅く明らかになった。
上場投資信託(ETF)や米投資会社バークシャー・ハザウェイ (N:BRKa)の株式などを売却した。
PIFが9月末時点で保有する米国株は70億5000万ドル相当。第2・四半期は101億2000万ドル相当だった。
ETFの保有高は9月末時点で19億6000万ドル。第2・四半期は47億ドルだった。
PIFは数カ月にわたって、新型コロナウイルスの流行で株価が下落した海外企業の少数株式を取得していたが、第2・四半期は一部の資金を不動産、素材、公益セクターのETFに移した。第3・四半期に保有していたのは、公益セクターのETFのみだった。
PIFが第3・四半期に売却したのは、バークシャー・ハザウェイ、カナディアン・ナチュラル・リソーシズ (TO:CNQ)、シスコ・システムズ (O:CSCO)の株式など。一方、ノバゴールド・リソーシズ (TO:NG)の株式1300万株を購入した。
PIFの運用資産は3600億ドル。海外への投資に加え、石油産業への依存度を減らすための国内プロジェクトにも投資している。
サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は最近、PIFが2021年と22年に年間1500億リヤル(399億9000万ドル)を国内に投資すると表明した。PIFは経済成長の原動力になっているという。
PIFは2015年以降、アクティブ運用を強化しており、米配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズ (N:UBER)に35億ドル、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに450億ドルを出資。
最近では、インドの複合企業リライアンス・インダストリーズ (NS:RELI)の小売り部門リライアンス・リテール・ベンチャーズとデジタル部門ジオ・プラットフォームズに、それぞれ13億ドル、15億ドル近く出資している。
中東専門のコンサルティング会社AzureStrategyのリサーチ担当ディレクター、Rachna Uppal氏は「米国は今後も重要な投資先になるだろうが、インドなど、自国に近い国との関係の構築・強化へのシフトが始まりつつある」と述べた。
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201117T072955+0000