ドル/円
正午現在 83.82/84 1.3578/80 113.83/85
午前9時現在 83.93/94 1.3571/75 113.91/97
NY17時現在 83.83/87 1.3575/81 113.91/98
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[東京 29日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点と
ほぼ変わらずの83円後半。大規模介入後の安値圏で一進一退となった。ドルは全般に売
られているものの、ドル/円は介入警戒感が下値を支える展開が続いている。
午前の東京市場でドルは一時84.09円まで上昇。投資家勢と見られる向きの買いが
入ったという。しかし、前日から続くドル売りの流れを引き継ぐ形で上値では売り圧力が
強く、短期筋や輸出企業などの売りにすぐ83円台へ反落した。「それなりに買い需要も
あったが、まったく上がらない」(外銀)という。
海外市場ではドルが広範に下落。予想を下回る米経済指標などを受けて、米債市場では
米10年債利回りが8月につけた1年7カ月ぶり低水準に接近。外為市場では、ドルが対
ユーロで5カ月ぶり、対豪ドルで2年ぶり、対スイスフランで2年半ぶり安値を更新し
た。ドル/円も一時83.68円と15日の大規模介入後の安値をつけた。「最近の指標
の雇用指数の弱さなどから、9月雇用統計が弱いとの観測も強まっている」(別の外銀)
という。
一方で、介入への警戒ムードも強い状況が続いている。為替レートの水準が企業業績に
影響を与えかねない中間期末をあすに控え、ドルが83円台へ再び下落してきたことで
「週内にも再び大規模な介入が行われるのではないか」(邦銀)との声が複数出ている。
日銀が発表した2010年9月全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製
造業・業況判断指数(DI)はプラス8と事前予想のプラス6を上回ったが、12月予測
はマイナス1と予想のプラス1を下回った。2010年度の想定為替レートは1ドル=8
9.66円と、前回6月調査の90.18円から小幅円高方向に修正された。下期のみで
も89.44円と前回の90.16円から円高に振れた。市場では「いずれにしても、介
入が入る可能性が高い状況はあまり変わらない」(さらに別の外銀)との声があった。
<ECBがアイルランド国債買いとの観測、ドル押し下げの一因か>
前日海外でドルが売られたのは、予想を下回る米経済指標や米金利の急速な低下が主因
との見方が大勢だが、市場では欧州中央銀行(ECB)が5000万─1億ユーロ規模で
アイルランド国債を購入したとのうわさが広がったことが、ユーロ買い戻し/ドル売りを
押し進めた一因との声も出ている。
米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は28日、アイルランド政府が救済の
ため国有化したアングロ・アイリッシュ銀行[ANGIB.UL]の資本再編コストの増大を理由に
、アイルランドを再び格下げする可能性があると警告。アイルランド国債とドイツ国債の
10年債利回り格差は前日夕方、ユーロ導入来最大を記録した。しかし、外為市場ではそ
の後ユーロが大きく切り返し、ユーロ/ドルは一時1.3596ドルまで上昇。5カ月ぶ
り高値を更新した。
(ロイター 基太村真司記者)