[香港 14日 ロイター] - 中国のゲーム大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は13日遅く、国内で認められていない海外のゲームをプレーできるサービスを停止すると発表した。
規制当局が業界の監視を強化していることに配慮したとみられる。
同社は「ゲーム・スピード・ブースター」(モバイル版、デスクトップ版)と呼ばれるアプリを5月31日にアップデートし、新バージョンでは中国国内のゲームしかプレイできなくなると表明した。
テンセントはこのアプリを2018年に導入。インターネットの通信速度を上げることが可能で、網易(ネットイース)なども同様のアプリを提供している。
中国では、政府が承認したゲームしかプレイが認められておらず、海外のサーバーで外国人とゲームをすることは許可されていない。
こうしたゲームはオンライン規制で明示的にブロックされているわけではないが、国内のインターネットは総じて通信速度が遅く、事実上、海外のゲームがプレイできない状態。
このため、多くの中国人ユーザーは、テンセントなどのアプリを利用して、「グランド・セフト・オート」や任天堂の「あつまれ どうぶつの森」など、国内で認められていない海外のゲームにアクセスしている。
こうしたアプリは、海外のゲーム会社にとっても、長年にわたって中国人ユーザーを取り込む非正規のルートとなってきた。
テンセントは、アプリを修正する理由を明らかにしていない。
中国人ユーザーの間には困惑が広がっているが、規制強化の流れを踏まえれば驚きではないとの声も多い。