■強みと今後の注力分野
(1)独自のエンジニアリング会社を目指す
八洲電機 (T:3153)は、コア技術として、電機・制御システム、環境システム、交通システム、情報システム、エネルギーシステムを挙げている。
同社はシステム及びシステムが使用される現場に精通したエンジニアが多く、様々な環境下や顧客の要求に応えられる技術力がある。
また、社内での技術の継承もうまくいっているようだ。
同社の強みの1つとなっているのが、コーポレートインであろう。
コーポレートインは、エンジニアが顧客企業の事業所内に常駐することで、外部にいる場合と比較して、顧客ニーズや依頼に早い段階で気付き解決策を提供できる。
当然のことながら、常駐はすべての企業ができることではない。
昔は生産量の拡大を背景に設備の増強などが多かったが、現在はむしろ設備の維持・管理や合理化・効率化もしくは多種への適用の需要の方が多く、弊社ではより高度な技術的対応が求められていると推察する。
また、これまでのノウハウや知見を基に、業界を横断した展開も見られた。
例えば、製鉄所における定期修繕時のシステム改修方法を、製油所に応用し、垂直立ち上げを実現したり、製品の検品の自動化を採用し、大きな効率化・合理化ができた。
同社が顧客企業において常駐しているポジションを築いていること、また、必要な時に解決策を提供できる技術力があることにより、さらに技術を磨く好循環が形成されていると言えるだろう。
さらに、小水力発電システムにも注目したい。
環境意識や省エネニーズの高まりを背景に再生可能エネルギーの導入が急速に拡大しつつあるが、これまでなかった小水力発電システムが、長野県の農業用水路に納入後に口コミで評判が広がっている。
これまで水力発電というと、電力会社や大規模製造会社が保有するようなダムや大型設備を伴う水力発電システムが主流であったが、農業用水路に導入できるような小型の設備ができている。
設置場所に応じて設計・施工・メンテナンスが必要となるが、小型であるため従来の大型水力発電と比べ導入にはそれほど大規模な工事や投資額・期間が必要ではないこと、24時間発電可能であるため安定的な電力供給が可能であること、工場の排水にも対応可能していることなどから、導入拡大は進むと弊社では考える。
同社は、今期はこれまで1台納入済みのほかに2台納入予定であり、現在までに2018年3月期にも2台納入予定がある。
(2)鉄道事業への注力
鉄道事業においては、2020年の東京五輪に向けて来日する外国人旅行客の増加をにらみ、設備投資が活発、車両や変電所はもちろんのこと、LED照明、空調設備、デジタルサイネージ、車両検査ラインなど同社のソリューション・エンジニアリング力を発揮できる領域の需要が高まっているもよう。
これまで運行管理システムや人流計測システムで顧客である鉄道会社のサービス向上に貢献してきた実績を携え、新たな提案をしていくようだ。
五輪後を見据えても、鉄道会社は、主軸の鉄道事業だけでなく、駅舎の開発・建設や運営などで駅周辺や沿線の価値向上に努める姿勢を示しており、長期的な視点での事業展開が見込める。
同社にとっても収益的・技術形成的に長期で安定的な受注の取り込みが望ましいこと、また、同社の高い技術力を背景に更なる改善を施したソリューションを提供することができると思われることから、この分野を重点領域と位置付けている。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
(1)独自のエンジニアリング会社を目指す
八洲電機 (T:3153)は、コア技術として、電機・制御システム、環境システム、交通システム、情報システム、エネルギーシステムを挙げている。
同社はシステム及びシステムが使用される現場に精通したエンジニアが多く、様々な環境下や顧客の要求に応えられる技術力がある。
また、社内での技術の継承もうまくいっているようだ。
同社の強みの1つとなっているのが、コーポレートインであろう。
コーポレートインは、エンジニアが顧客企業の事業所内に常駐することで、外部にいる場合と比較して、顧客ニーズや依頼に早い段階で気付き解決策を提供できる。
当然のことながら、常駐はすべての企業ができることではない。
昔は生産量の拡大を背景に設備の増強などが多かったが、現在はむしろ設備の維持・管理や合理化・効率化もしくは多種への適用の需要の方が多く、弊社ではより高度な技術的対応が求められていると推察する。
また、これまでのノウハウや知見を基に、業界を横断した展開も見られた。
例えば、製鉄所における定期修繕時のシステム改修方法を、製油所に応用し、垂直立ち上げを実現したり、製品の検品の自動化を採用し、大きな効率化・合理化ができた。
同社が顧客企業において常駐しているポジションを築いていること、また、必要な時に解決策を提供できる技術力があることにより、さらに技術を磨く好循環が形成されていると言えるだろう。
さらに、小水力発電システムにも注目したい。
環境意識や省エネニーズの高まりを背景に再生可能エネルギーの導入が急速に拡大しつつあるが、これまでなかった小水力発電システムが、長野県の農業用水路に納入後に口コミで評判が広がっている。
これまで水力発電というと、電力会社や大規模製造会社が保有するようなダムや大型設備を伴う水力発電システムが主流であったが、農業用水路に導入できるような小型の設備ができている。
設置場所に応じて設計・施工・メンテナンスが必要となるが、小型であるため従来の大型水力発電と比べ導入にはそれほど大規模な工事や投資額・期間が必要ではないこと、24時間発電可能であるため安定的な電力供給が可能であること、工場の排水にも対応可能していることなどから、導入拡大は進むと弊社では考える。
同社は、今期はこれまで1台納入済みのほかに2台納入予定であり、現在までに2018年3月期にも2台納入予定がある。
(2)鉄道事業への注力
鉄道事業においては、2020年の東京五輪に向けて来日する外国人旅行客の増加をにらみ、設備投資が活発、車両や変電所はもちろんのこと、LED照明、空調設備、デジタルサイネージ、車両検査ラインなど同社のソリューション・エンジニアリング力を発揮できる領域の需要が高まっているもよう。
これまで運行管理システムや人流計測システムで顧客である鉄道会社のサービス向上に貢献してきた実績を携え、新たな提案をしていくようだ。
五輪後を見据えても、鉄道会社は、主軸の鉄道事業だけでなく、駅舎の開発・建設や運営などで駅周辺や沿線の価値向上に努める姿勢を示しており、長期的な視点での事業展開が見込める。
同社にとっても収益的・技術形成的に長期で安定的な受注の取り込みが望ましいこと、また、同社の高い技術力を背景に更なる改善を施したソリューションを提供することができると思われることから、この分野を重点領域と位置付けている。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)