[ワシントン 20日 ロイター] - 訪米しているベラルーシの反体制派指導者スベトラーナ・チハノフスカヤ氏は20日、自国の強権的なルカシェンコ大統領に対する圧力を強めるため制裁を強化するよう米当局者らに求めたことを明らかにした。
具体的にはルカシェンコ大統領の側近や政府機関に対する現行の制裁に加え、ベラルーシのカリ、石油、木材、鉄鋼セクターの企業に制裁を科すよう求めたという。
チハノフスカヤ氏は記者団に対し、「彼(ルカシェンコ大統領)の行いを改めさせ、政治犯を解放させるため、彼に真の打撃となるだろう」と述べた。
ブリンケン国務長官を含む米国務省当局者との19日の面会では国有カリ肥料企業「Belaruskali」を含む制裁対象企業リストを渡したという。
また、チハノフスカヤ氏は20日、シンクタンク「アトランティック・カウンシル」が主催したウェビナーで、世界の民主主義国がルカシェンコ大統領に対して一段と厳しい措置を取るよう求めた。
ルカシェンコ大統領は1994年からベラルーシで政権を握っており、昨年8月の大統領選を巡って始まった平和的な抗議デモを取り締まるなどしている。
また、米国家安全保障会議(NSC)の発表文によると、チハノフスカヤ氏はサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とも面会。サリバン氏は「(ベラルーシにおける)反政権派の勇気と決意に対する(米国の)敬意」を伝えたという。
発表文は「米国はパートナー国や同盟国とともに、制裁発動を通じるなどしてルカシェンコ体制にその行動に対する責任を取らせ続けるだろう」とした。