[東京 3日 ロイター] - NTTドコモは3日、携帯電話のデータ通信20ギガバイト(GB)で月額2980円とする新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。10月に発表したKDDIやソフトバンクの20GBの新プランより安い価格設定とした。2021年3月に提供を開始する。
通信各社は、菅義偉政権による携帯電話料金の値下げ要請を踏まえて低価格プランを相次いで打ち出しているが、会見した井伊基之社長はドコモの新料金プランについて「競争戦略上の打ち手」と説明。ドコモは若い世代の顧客層が弱く「ピッタリしたプランがなかった」との認識を示した。
既存の料金プランについても「5G(第5世代通信網)の利用促進に向けて、シンプルかつお得な料金に変えていく」と述べた。詳細は12月中に改めて発表する予定。「サブブランドはつくらず、メインだけでプランを複数作っていきたい」とした。
井伊社長は「他社に勝てる価格」と強調。料金の引き下げは減収につながりかねないが「その分を付加価値サービスでどう埋めていくかが経営者としての責任」だと述べた。井伊社長は、通信料金は下がっていく方向との見方を示し、5G普及期にはIoT(モノのインターネット)やソリューションといった法人ビジネス、消費者向けでは映像配信などが重要だとした。「そのためには顧客基盤が大事」と指摘し、ポイント利用や回線契約を伸ばしていく考えを示した。
新プラン「アハモ」は第4世代(4G、LTE)通信網と5Gに対応する。5分以内の国内通話は無料で、海外82カ国・地域でのデータ通信も20GBまで追加料金なしで利用できる。実店舗でなく基本的にオンラインで受け付けるほか、サービスを絞り込むことなどで効率化を図った。
KDDIは格安ブランドのUQモバイルがデータ20GBで3980円の新料金プランを来年2月から、ソフトバンクは同じくワイモバイルでデータ20GBと10分以内の国内通話無料をセットにした月4480円のプランを今年12月下旬から、それぞれ提供すると発表していた。
*会見での発言を追加して再送します。
(平田紀之 編集:青山敦子)