[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)首脳会議が23日開催され、初日の協議では国連のグテレス事務総長を交えて世界の食料安全保障や対ロシア制裁が話し合われた。会議は24日までの予定。ウクライナへの追加軍事支援も承認した。
ドイツのショルツ首相は「ロシアによるウクライナ侵攻が世界の食糧難を招かないよう、ウクライナなどからの穀物輸出の継続を図る必要がある」と表明。
一方、エストニアのカラス首相は、穀物輸出合意に伴う対ロシア制裁の緩和に反対し、ロシア産石油輸出に厳しい価格制限を設けるよう訴えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領もビデオ通話で参加し、「欧州がちゅうちょすれば、悪が形勢を立て直し、長年の戦争に備える時間を得る可能性がある」と語った。いかなる理由においても対ロシア制裁の緩和は間違いとし、戦車や弾薬、航空機の引き渡しを早めるよう要請した
国連は声明で、グテレス事務総長が「黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意(黒海穀物イニシアティブ)を通じた世界の食料安全保障の強化と、ロシアの食料と肥料の輸出を促進するの取り組みについて最新情報を提供した」と明らかにした。
また、EU首脳は今後1年間に100万発の砲弾をウクライナに供給する計画を承認した。この計画は20日に開催された外務・防衛閣僚会議で合意されていた。
欧州議会のメツォラ議長は「われわれはウクライナの自衛を支援し結束を明示する必要があり、いかなる疲れの兆候をも見せることを避けなければならない」と述べた。