■業績動向
1. 2017年3月期決算概要
デジタルアーツ (T:2326)の2017年3月期連結業績は、売上高が前期比26.4%増の5,058百万円、営業利益は同81.2%増の1,824百万円、経常利益は同82.2%増の1,811百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同106.1%増の1,125百万円となり、売上高、利益ともに過去最高を記録した。
総務省が求める自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に関する指針を受け、各都道府県及び各市町村において、インターネットのセキュリティ強化対策が実施され、公共向け市場において主力製品である「i-FILTER」シリーズ・「m-FILTER」シリーズの売上が拡大した。
特に、官公庁関係で「i-FILTER」の大規模新規案件を獲得したのが大きく寄与した。
また、「FinalCode」Ver.5が実現する高度なファイルセキュリティが企業・組織のニーズを捉え、売上が拡大した。
さらに、2016年4月に設立した子会社デジタルアーツコンサルティングにおけるコンサルティング案件の受注も順調に進捗した。
売上原価は、新製品開発に伴う国内開発人員やコンサルティング人員の増加により労務費が増加したことなどで81百万円増加した。
しかし、売上拡大の伸びが大きかったため、売上原価率は3.2ポイント改善し、19.9%となった。
販管費については、国内人件費の増、広告宣伝費の増、税率上昇による税金費用の増などで159百万円増加したが、売上高比率では前期比7.7ポイント低下し、44.0%にとどまった。
また、海外投資については期首予算の範囲内で推移した。
これらの結果、営業利益率は10.9ポイント向上し、36.1%となった。
2. 市場別動向
(1) 企業向け市場
企業向け市場の売上高は前期比14.9%増の2,573百万円と順調に拡大した。
製品別に見ると、主力製品である 「i-FILTER」シリーズ、「FinalCode」の販売が順調に推移。
「m-FILTER」シリーズについては下半期復調し、年度累計では安定した成長を確保した。
大規模な顧客情報の流失事故が多発するなか、「FinalCode」Ver.5により実現する全社レベルでの高度なファイルセキュリティが、大量の顧客情報を扱う企業等のニーズを捉え、売上が拡大した。
「i-FILTER」の売上高は同9.2%増となったほか、「m-FILTER」の売上高も同8.3%増と拡大した。
戦略製品である 「FinalCode」は同97.7%増と大幅に拡大した。
(2) 公共向け市場
公共向け市場の売上高は同49.9%増の2,125百万円と大きく拡大し、全社業績をけん引した。
総務省が求める自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に関する指針を受け、各都道府県及び各市町村においてインターネットのセキュリティ強化対策が実行され、公共向け市場において主力製品である「i-FILTER」シリーズ、「m-FILTER」シリーズの売上が拡大した。
都道府県庁、市役所、町村役場を始めとする公共団体が求める要望に対応した「FinalCode 自治体限定版」の導入が引き続き拡大した。
製品別に見ると、主力の「i-FILTER」が同 33.6%増となり好調に推移したほか、「m-FILTER」が同189.6%増、「FinalCode」も同47.8%増と大幅に拡大した。
(3) 家庭用向け市場
家庭用向け市場の売上高は、国内パソコン出荷台数が引き続き減少する中で底堅く推移し、同5.0%増の359 百万円であった。
携帯電話事業者やMVNO事業者等と連携し、スマートフォン向け「i-フィルター」のモバイル端末版の拡販と協業拡大を推進した。
パソコンの国内出荷台数は減少しているものの、OEMによる販売、複数年パッケージ製品の出荷が好調であったことなどを主要因として、パソコン版の売上が同5.5%増と底堅く推移した。
また、1つのシリアルIDで複数のOSでの利用が可能な「i-フィルターforマルチデバイス」の販売が伸長し、モバイル端末版の売上高は同15.8%増と拡大した。
一方、前期好調だったゲーム機/TV版の売上高は同13.0%減と伸び悩んだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)
1. 2017年3月期決算概要
デジタルアーツ (T:2326)の2017年3月期連結業績は、売上高が前期比26.4%増の5,058百万円、営業利益は同81.2%増の1,824百万円、経常利益は同82.2%増の1,811百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同106.1%増の1,125百万円となり、売上高、利益ともに過去最高を記録した。
総務省が求める自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に関する指針を受け、各都道府県及び各市町村において、インターネットのセキュリティ強化対策が実施され、公共向け市場において主力製品である「i-FILTER」シリーズ・「m-FILTER」シリーズの売上が拡大した。
特に、官公庁関係で「i-FILTER」の大規模新規案件を獲得したのが大きく寄与した。
また、「FinalCode」Ver.5が実現する高度なファイルセキュリティが企業・組織のニーズを捉え、売上が拡大した。
さらに、2016年4月に設立した子会社デジタルアーツコンサルティングにおけるコンサルティング案件の受注も順調に進捗した。
売上原価は、新製品開発に伴う国内開発人員やコンサルティング人員の増加により労務費が増加したことなどで81百万円増加した。
しかし、売上拡大の伸びが大きかったため、売上原価率は3.2ポイント改善し、19.9%となった。
販管費については、国内人件費の増、広告宣伝費の増、税率上昇による税金費用の増などで159百万円増加したが、売上高比率では前期比7.7ポイント低下し、44.0%にとどまった。
また、海外投資については期首予算の範囲内で推移した。
これらの結果、営業利益率は10.9ポイント向上し、36.1%となった。
2. 市場別動向
(1) 企業向け市場
企業向け市場の売上高は前期比14.9%増の2,573百万円と順調に拡大した。
製品別に見ると、主力製品である 「i-FILTER」シリーズ、「FinalCode」の販売が順調に推移。
「m-FILTER」シリーズについては下半期復調し、年度累計では安定した成長を確保した。
大規模な顧客情報の流失事故が多発するなか、「FinalCode」Ver.5により実現する全社レベルでの高度なファイルセキュリティが、大量の顧客情報を扱う企業等のニーズを捉え、売上が拡大した。
「i-FILTER」の売上高は同9.2%増となったほか、「m-FILTER」の売上高も同8.3%増と拡大した。
戦略製品である 「FinalCode」は同97.7%増と大幅に拡大した。
(2) 公共向け市場
公共向け市場の売上高は同49.9%増の2,125百万円と大きく拡大し、全社業績をけん引した。
総務省が求める自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に関する指針を受け、各都道府県及び各市町村においてインターネットのセキュリティ強化対策が実行され、公共向け市場において主力製品である「i-FILTER」シリーズ、「m-FILTER」シリーズの売上が拡大した。
都道府県庁、市役所、町村役場を始めとする公共団体が求める要望に対応した「FinalCode 自治体限定版」の導入が引き続き拡大した。
製品別に見ると、主力の「i-FILTER」が同 33.6%増となり好調に推移したほか、「m-FILTER」が同189.6%増、「FinalCode」も同47.8%増と大幅に拡大した。
(3) 家庭用向け市場
家庭用向け市場の売上高は、国内パソコン出荷台数が引き続き減少する中で底堅く推移し、同5.0%増の359 百万円であった。
携帯電話事業者やMVNO事業者等と連携し、スマートフォン向け「i-フィルター」のモバイル端末版の拡販と協業拡大を推進した。
パソコンの国内出荷台数は減少しているものの、OEMによる販売、複数年パッケージ製品の出荷が好調であったことなどを主要因として、パソコン版の売上が同5.5%増と底堅く推移した。
また、1つのシリアルIDで複数のOSでの利用が可能な「i-フィルターforマルチデバイス」の販売が伸長し、モバイル端末版の売上高は同15.8%増と拡大した。
一方、前期好調だったゲーム機/TV版の売上高は同13.0%減と伸び悩んだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)