米労働省が発表した8月JOLT求人件数は705.1万件と、前月から増加予想に反して減少し、昨年3月以降1年半ぶりの低水準となった。
3カ月連続の減少。
7月分も717.4万件と、721.7万件から下方修正された。
2018年11月に過去最高を更新したのち、ピークから減少基調にある。
米雇用統計でも示されたとおり、労働市場の減速が裏付けられた。
同時に、依然700万件は保ったほか、総失業者数を100万上回っている。
求人件数が失業者数を上回ったのは18カ月連続で過去最長。
ただ、採用者数や労働市場での健全性をはかる上で注視される退職者数は大幅に減少しており、労働市場の拡大基調が終了する可能性は懸念される。
採用者数は19.9万人減少し5779万人。
退職者数は14.2万人減の352.6万人となった。
退職者数の減少幅は1月来で最大となる。
今年に入り企業は技術を持つ労働者を見つけるのが困難になったことや景気先行き見通しの悪化で採用を見送っている。
8月解雇率(Layoffs/discharges rate)は1.3%と7月1.2%から上昇する一方で、労働市場の健全性を示す退職率(Quits rate)の8月分は2.3%と、7月2.4%から低下した。
9月長期失業率も36.9%と、8月34.4%から再び上昇したことも懸念に繋がる。
唯一強かった米国の労働市場もピークをつけた可能性は、消費の鈍化につながり米国経済の成長を減速させる。
連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げを正当化することになる。
■雇用たるみダッシュボード◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較8月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.3%(7月1.2%、昨年1.4%) 1.4%9月失業率(Unemploynent rate):3.7%(8月3.7%) 5%8月求人率(Job openings rate):4.4%(7月4.5%、昨年4.7% ) 3%8月退職率(Quits rate):2.3%(7月2.4%、昨年2.3%) 2.1%9月広義の失業率(U-6):6.9%(8月7.2%) 8.8%8月採用率(Hiring rate):3.8%(7月3.9%、昨年3.9%) 3.8%◎状態が危機前より依然悪い9月長期失業率:36.9%(8月34.4%、2018年37.6%) 19.1%9月労働参加率:63.2%(8月63.2%) 66.1%9月雇用者数(Nonfirm payrolls):前月比+13.6万人(8月+16.8万人) +16.18万人