■業績動向
1. 2018年3月期第2四半期累計決算
2017年11月8日に発表したグローブライド (T:7990)の2018年3月期第2四半期累計(2017年4−9月)決算は売上高44,951百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益2,933百万円(同9.8%減)、経常利益2,969百万円(同14.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,042百万円(同10.4%減)と、増収となったものの、営業減益となった。
ただ、営業外収支が改善し、経常段階では増益を確保している。
売上高については、第1四半期時点の想定値43,500百万円を上回って着地した。
日本国内は、ひと頃に比べて雇用率が改善するなど、経済指標で上向きが感じられながらも、消費マインドは指標ほどは盛り上がっているとは言えず、そうしたなかにおいて、生活必需品ではない同社の製品を取り巻く環境は、良好とは言い切れない。
しかしながら、フィッシング、ゴルフ、ラケットスポーツを楽しむ人の琴線に触れるような革新的な製品を投入することで、同社は対応している。
フィッシングについて見ると、国内ではフィッシング市場は、上半期はマーケット全体の動きが、前年同期推定で2~3%伸びるなど比較的好調だった。
そうした環境下で、同社の国内販売は前年同期比5%の伸びを確保。
2016年の上半期は天候不順の影響を受けて、厳しい状況にあったのが、2017年は天候に恵まれたことが大きい。
一方で、景気の方も緩やかながらも上向きを感じさせたという。
引き続き消費者の同社製品に対する評価は高く、市場平均を大きく上回る結果となった。
ゴルフは、「ONOFF」など旗艦ブランドの引き合いが好調をキープした。
国内では市場全体が前年並みとなるなかで、5%増となっている。
なかでも、2017年春に投入した片山晋吾プロ監修の上級者向け新商品が伸びをけん引した。
ブランドの訴求に加え、プロの活躍にも結びついているしっかりしたものづくりが評価されている。
半面、ラケットスポーツは、“錦織効果”のテニスブームが一巡していることが響いている状況で前年同期比2%の売上減少となった。
海外では、フィッシングが順調に拡大。
欧米のアウトドア市場は好調とは言えないものの、数年前から取り組んできた海外の強化策の成果がここにきて現われている。
地域別に見ると、米州は前年同期比で5~10%落ち込むほどマーケットが冷え込んでいるものの、そうしたなかで米国は現地通貨ベースで16%の伸びを記録。
欧州も同様に、5~10%ダウンしたフィッシング市場で9%増を確保した。
アジア・太平洋も足元は前年同期並み~10%減と芳しくないものの、そうしたなかで22%と高い売上増を記録している。
ゴルフについては、本場アメリカでも有力スポーツメーカーがゴルフ用品から撤退するなど世界的に不況とも言える厳しい状況。
一時のタイガー・ウッズのような傑出したプレーヤーが存在しないことが背景にある。
同社も、子会社において主力の韓国向けが代理店を変更した影響もあり、全体で前年同期比1割の減収となった。
利益面では、為替変動の影響で原料費などコストが増加。
売上原価は前年同期の26,276百万円から28,548百万円にアップし、原価率は62.2%から63.5%に上昇した。
これは、海外の販売増に伴うボリュームゾーンの価格帯製品が増えた点も大きな要因として挙げられる。
これまで海外では、高級品が主体だったものの、シェアを高めるために、中、普及価格帯の製品の投入を進めた。
実際に、市場が冷え込むなかでも、売上を伸ばす結果が出ているなど、戦略は当たった格好だが、高級品に比べて廉価品は当然のことながら利益率が低く、原価率の悪化につながった。
また、海外のセールスサポートの強化費やeコマース事業の投資費など先行投資を積極的に行なっていることも加わり、営業利益率は前年同期の7.7%から6.5%に低下している。
ただ、営業外収支は、為替相場が落ち着いたことで、前年同期に315百万円計上した為替差損がなくなったほか、特許訴訟の和解金270百万円を計上したことなどから、経常利益は2ケタ増益を確保することができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
1. 2018年3月期第2四半期累計決算
2017年11月8日に発表したグローブライド (T:7990)の2018年3月期第2四半期累計(2017年4−9月)決算は売上高44,951百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益2,933百万円(同9.8%減)、経常利益2,969百万円(同14.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,042百万円(同10.4%減)と、増収となったものの、営業減益となった。
ただ、営業外収支が改善し、経常段階では増益を確保している。
売上高については、第1四半期時点の想定値43,500百万円を上回って着地した。
日本国内は、ひと頃に比べて雇用率が改善するなど、経済指標で上向きが感じられながらも、消費マインドは指標ほどは盛り上がっているとは言えず、そうしたなかにおいて、生活必需品ではない同社の製品を取り巻く環境は、良好とは言い切れない。
しかしながら、フィッシング、ゴルフ、ラケットスポーツを楽しむ人の琴線に触れるような革新的な製品を投入することで、同社は対応している。
フィッシングについて見ると、国内ではフィッシング市場は、上半期はマーケット全体の動きが、前年同期推定で2~3%伸びるなど比較的好調だった。
そうした環境下で、同社の国内販売は前年同期比5%の伸びを確保。
2016年の上半期は天候不順の影響を受けて、厳しい状況にあったのが、2017年は天候に恵まれたことが大きい。
一方で、景気の方も緩やかながらも上向きを感じさせたという。
引き続き消費者の同社製品に対する評価は高く、市場平均を大きく上回る結果となった。
ゴルフは、「ONOFF」など旗艦ブランドの引き合いが好調をキープした。
国内では市場全体が前年並みとなるなかで、5%増となっている。
なかでも、2017年春に投入した片山晋吾プロ監修の上級者向け新商品が伸びをけん引した。
ブランドの訴求に加え、プロの活躍にも結びついているしっかりしたものづくりが評価されている。
半面、ラケットスポーツは、“錦織効果”のテニスブームが一巡していることが響いている状況で前年同期比2%の売上減少となった。
海外では、フィッシングが順調に拡大。
欧米のアウトドア市場は好調とは言えないものの、数年前から取り組んできた海外の強化策の成果がここにきて現われている。
地域別に見ると、米州は前年同期比で5~10%落ち込むほどマーケットが冷え込んでいるものの、そうしたなかで米国は現地通貨ベースで16%の伸びを記録。
欧州も同様に、5~10%ダウンしたフィッシング市場で9%増を確保した。
アジア・太平洋も足元は前年同期並み~10%減と芳しくないものの、そうしたなかで22%と高い売上増を記録している。
ゴルフについては、本場アメリカでも有力スポーツメーカーがゴルフ用品から撤退するなど世界的に不況とも言える厳しい状況。
一時のタイガー・ウッズのような傑出したプレーヤーが存在しないことが背景にある。
同社も、子会社において主力の韓国向けが代理店を変更した影響もあり、全体で前年同期比1割の減収となった。
利益面では、為替変動の影響で原料費などコストが増加。
売上原価は前年同期の26,276百万円から28,548百万円にアップし、原価率は62.2%から63.5%に上昇した。
これは、海外の販売増に伴うボリュームゾーンの価格帯製品が増えた点も大きな要因として挙げられる。
これまで海外では、高級品が主体だったものの、シェアを高めるために、中、普及価格帯の製品の投入を進めた。
実際に、市場が冷え込むなかでも、売上を伸ばす結果が出ているなど、戦略は当たった格好だが、高級品に比べて廉価品は当然のことながら利益率が低く、原価率の悪化につながった。
また、海外のセールスサポートの強化費やeコマース事業の投資費など先行投資を積極的に行なっていることも加わり、営業利益率は前年同期の7.7%から6.5%に低下している。
ただ、営業外収支は、為替相場が落ち着いたことで、前年同期に315百万円計上した為替差損がなくなったほか、特許訴訟の和解金270百万円を計上したことなどから、経常利益は2ケタ増益を確保することができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)