[30日 ロイター] - 米ユナイテッド航空 (O:UAL)が30日に発表した第1・四半期決算は、17億ドルの損失を計上した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けた渡航制限で需要が大幅に落ち込み、前年同期の2億9200万ドルの黒字から赤字に転落した。
調整後の純損失は6億3900万ドル(1株当たり2.57ドル)。営業収入は17%減の80億ドルだった。
新型コロナを封じ込める世界的な移動制限で、航空会社は旅客便の運休に追い込まれている。各社は成長戦略を停止し、手元資金の確保を急いでいる。
ユナイテッドの4月29日時点の手元資金は96億ドルで、3月末時点の72億ドルから増加した。第2・四半期は1日当たり4000万─4500万ドルの手元資金が必要になる。
ユナイテッドは従業員への給与を支払うため、「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)」下で50億ドルの支援を受ける予定。第3・四半期にはさらに45億ドルの融資を受けるかどうかを決定する。
この支援を受けるためには、航空会社は減給を行わずに9月末まで雇用を維持する必要がある。ただ、ユナイテッドも含めて多くの航空会社は、今秋までに需要が回復しなければ人員削減などに踏み切る必要があるとしている。
オスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)は声明で「我々はまだ危機の真っただ中にいるが、当社の長期的成功を確実にするだろう厳しい決断をすることをためらわない」と述べた。
航空業界は、需要が2019年の水準に戻るのには2─3年かかると予想している。