■事業概要
1. マンション市場の動向
2016年1月から12月に全国主要都市で発売されたマンションは76,993戸であり、前年比で1.4%の微減だった。
首都圏での減少(前年比11.6%減)を、その他のエリア(首都圏、近畿圏以外)の増加(同20.5%増)が補った形だ。
プレサンスコーポレーション (T:3254)の地盤である近畿圏に限れば18,676戸の供給であり、全国同様に前年比1.3%の微減であった。
マンション価格は全国平均で4,560万円(前年比1.3%減)となり、1973年の調査開始以来最高だった前年並みだった。
首都圏での価格上昇が同0.5%減と落ち着き、一方で近畿圏、その他のエリアにおいても3%前後の上昇となった。
首都圏以外での展開が主体の同社にとっては、市場価格の上昇は追い風と言ってよいだろう。
2. 競合ポジション
同社は、2016年分譲マンション供給戸数で第4位(前年6位)に躍進し、マンション市場におけるポジションを着実に上げている。
同社以外で伸びが大きい企業としては、あなぶき興産(穴吹興産 (T:8928))(首都圏・近畿圏以外に強い)、日本エスリード (T:8877)(近畿圏に特化)などであり、首都圏中心の企業が伸び悩む傾向がある。
同社は近畿圏での分譲マンション供給ランキングで7年連続第1位(2016年)、東海・中京圏でも5年連続の第1位(2016年)を獲得しており、首都圏以外での強さが顕著だ。
近畿圏や東海・中京圏においては過去から地場の不動産業者等との信頼関係を築いてきたために土地の取得に強みがある点、顧客のニーズにマッチしたマンションを適正価格で供給している点、親しみやすいヤドカリをキャラクターにした地域に特化した広告宣伝などがランキング向上のドライバーとなっている。
ちなみに、同社の物件平均単価はファミリーマンションで32.7百万円であり、全国市場平均45.6百万円や近畿圏平均39.2百万円と比べても低く設定されている。
3. 強み・優位性
同社はワンルームマンションの販売事業からスタートしており、確かな販売力を有する営業部門の存在が強さの源泉である。
営業部門全体で1物件を一定期間に集中販売するために、社内競争が促され、営業員の士気が向上する。
また、新入社員には管理職がマンツーマンで現場指導し成功体験を積ませる教育システムも有効に機能している。
年齢・社歴に関係なく、成果次第で昇給・昇格(年2回)できる評価システムも透明性が高い。
完成在庫を少なくし、早期の資金回収が可能になるために、財務にも好循環が生まれる。
2015年8月には優れた財務内容が評価され、JPX日経インデックス400銘柄に選定されている。
健全な財務内容は、積極的な土地の仕入れを可能にし、金融機関やゼネコンとの交渉条件も有利にする。
立地に関しては、長期にわたり資産価値が継続することを重視し、都心主要駅から10分圏内を基準とする。
自社で企画開発するために、リーズナブルな価格帯で、バランスの良い機能を備えたコストパフォーマンスの高い商品に仕上げるのが得意だ。
1)販売力、2)財務力、3)仕入れ力、4)商品力が相互に好循環し、強固な優位性が形成されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
1. マンション市場の動向
2016年1月から12月に全国主要都市で発売されたマンションは76,993戸であり、前年比で1.4%の微減だった。
首都圏での減少(前年比11.6%減)を、その他のエリア(首都圏、近畿圏以外)の増加(同20.5%増)が補った形だ。
プレサンスコーポレーション (T:3254)の地盤である近畿圏に限れば18,676戸の供給であり、全国同様に前年比1.3%の微減であった。
マンション価格は全国平均で4,560万円(前年比1.3%減)となり、1973年の調査開始以来最高だった前年並みだった。
首都圏での価格上昇が同0.5%減と落ち着き、一方で近畿圏、その他のエリアにおいても3%前後の上昇となった。
首都圏以外での展開が主体の同社にとっては、市場価格の上昇は追い風と言ってよいだろう。
2. 競合ポジション
同社は、2016年分譲マンション供給戸数で第4位(前年6位)に躍進し、マンション市場におけるポジションを着実に上げている。
同社以外で伸びが大きい企業としては、あなぶき興産(穴吹興産 (T:8928))(首都圏・近畿圏以外に強い)、日本エスリード (T:8877)(近畿圏に特化)などであり、首都圏中心の企業が伸び悩む傾向がある。
同社は近畿圏での分譲マンション供給ランキングで7年連続第1位(2016年)、東海・中京圏でも5年連続の第1位(2016年)を獲得しており、首都圏以外での強さが顕著だ。
近畿圏や東海・中京圏においては過去から地場の不動産業者等との信頼関係を築いてきたために土地の取得に強みがある点、顧客のニーズにマッチしたマンションを適正価格で供給している点、親しみやすいヤドカリをキャラクターにした地域に特化した広告宣伝などがランキング向上のドライバーとなっている。
ちなみに、同社の物件平均単価はファミリーマンションで32.7百万円であり、全国市場平均45.6百万円や近畿圏平均39.2百万円と比べても低く設定されている。
3. 強み・優位性
同社はワンルームマンションの販売事業からスタートしており、確かな販売力を有する営業部門の存在が強さの源泉である。
営業部門全体で1物件を一定期間に集中販売するために、社内競争が促され、営業員の士気が向上する。
また、新入社員には管理職がマンツーマンで現場指導し成功体験を積ませる教育システムも有効に機能している。
年齢・社歴に関係なく、成果次第で昇給・昇格(年2回)できる評価システムも透明性が高い。
完成在庫を少なくし、早期の資金回収が可能になるために、財務にも好循環が生まれる。
2015年8月には優れた財務内容が評価され、JPX日経インデックス400銘柄に選定されている。
健全な財務内容は、積極的な土地の仕入れを可能にし、金融機関やゼネコンとの交渉条件も有利にする。
立地に関しては、長期にわたり資産価値が継続することを重視し、都心主要駅から10分圏内を基準とする。
自社で企画開発するために、リーズナブルな価格帯で、バランスの良い機能を備えたコストパフォーマンスの高い商品に仕上げるのが得意だ。
1)販売力、2)財務力、3)仕入れ力、4)商品力が相互に好循環し、強固な優位性が形成されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)