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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、節目割り込みいったん買い戻しも

発行済 2018-02-14 17:25
更新済 2018-02-14 17:33
欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、節目割り込みいったん買い戻しも
今日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。
不安定な米国市場を背景としたドル売り・円買いが継続し、警戒ムードは続く見通し。
ただ、昨年のドル安値を割り込んだことでいったん調整の買い戻しが見込まれ、さらに大きく下げる値動きは想定しにくい。


前日の海外市場で日銀の黒田総裁の続投に関する報道が伝わり、2期目は「異次元緩和」の解除に動くとの憶測から円買いが強まった。
今朝発表された日本の10-12月期国内総生産(GDP)は予想を下振れたものの、8四半期連続でプラス成長となり、日銀による緩和策の転換に思惑が広がった可能性もあろう。


年明け以降の米国市場の不安定さを背景にドル売り基調が強まるなか、こうした円買いも加わった。
このため、本日のアジア市場でドル・円は2017年の最安値となった同年9月8日の107円32銭を下抜け、ストップロスを巻き込み一時106円84銭まで急落。
ある市場筋は「強引な仕掛け」と指摘している。


目先のドル・円の値動きに関しては、ドル売り・円買いの継続かドルのショートカバーか、見方は分かれる。
中国などの明日からの春節入りでドルの手仕舞い売りも想定され、ドル・円は軟調地合いが続くだろう。
ただ、昨年の安値を下抜けたほか、1週間あまりで3%超も下げたことでいったん調整の買い戻しが入るとみられる。


一方、今晩は米国の1月消費者物価指数(CPI)の発表が注目される。
12月の前年比+2.1%から伸び鈍化が見込まれるが、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速警戒が高まらず米長期金利が低下すれば、米国株の下落は回避されよう。
米国株の下げが小幅にとどまれば混乱を嫌気したドル売りやリスク回避的な円買いは弱まり、ドル・円は短期的に回復する可能性があろう。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・12月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、11月:+1.0%)
・19:00 ユーロ圏・10-12月期GDP改定値(前年比予想:+2.7%、速報値:+2.7%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+0.7%)
・22:30 米・1月消費者物価指数(前年比予想:+1.9%、12月:+2.1%)
・22:30 米・1月小売売上高(前月比予想:+0.2%、12月:+0.4%)
・24:00 米・12月企業在庫(前月比予想:+0.3%、11月:+0.4%)


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