[ロンドン 24日 ロイター] - 24日発表された4月の英消費者物価指数(CPI)が予想ほど鈍化しなかったことを受け、イングランド銀行(英中銀)の利上げ見通しを変更する動きが相次いだ。
4月CPIは前年同月比8.7%上昇と、市場予想の8.2%上昇を超える伸びとなったほか、コアインフレ率は31年ぶりの水準となった。
米シティはあと2回の利上げを予想し、従来見通しの1回から引き上げた。これまでに見込んでいた11月の利下げ予測も撤回した。
ただ、シティのエコノミスト、ベンジャミン・ナバロ氏はメモで「CPIの数字は懸念していた以上に強い内容だが、内訳はそうでもなく、サービス部門は懸念していたほど加速していない。コスト圧力が緩和の兆しを示す中、引き続き2024年の大幅利下げを予想する」と述べた。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバルリサーチは、英中銀が9月までに0.25%ポイントの追加利上げを3回実施し、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が5.25%に達すると予想。従来予想は4.75%だった。
BofAのエコノミストは「CPI統計はインフレが従来予想よりも一段と緩慢なペースで鈍化することを示唆した。インフレが年末までにピーク時から半減しないリスクが高まっている」という見方を示した。
クレディ・スイスは、金利が8月時点で5%に上昇するとし、従来予想の4.75%から引き上げた。同時に英経済担当のソナリ・プンハニ氏は「CPIが引き続き鈍化し、コアインフレの勢いが幾分衰えると想定する」とした。