[サンフランシスコ/香港 10日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)のティム・クック最高経営責任者(CEO)は10日、香港でデモ隊が警察の動きを把握するために使用してきたアプリを削除したことについて、正当性を主張した。
ロイターが入手した社内ウェブに掲載された文書のコピーによると、クックCEOは「技術が善にも悪にも利用されることは周知の事実であり、今回も同様だ」と指摘。アプリが1人でいる警察官への攻撃や警察官がいない地域での犯罪行為などを目的に悪意を持って使用されたという「信頼できる情報」を香港の警察やアップルユーザーから受け取り、今回の判断に至ったとの見方を示した。
その上で「このようなアプリの使用は香港の法律に違反している」とし、「同様に、アプリの悪用は個人への危害を禁じているアップストアのガイドラインにも反している」とした。
アップルは9日、香港でデモ隊が警察の動きを把握するために使用してきたアプリ「HKmap.live」を自社のアプリ配信サービス「アップストア」から削除していた。[nL3N26V1FP]
また、アルファベット傘下のグーグル (O:GOOGL)も10日、プレーヤーが香港のデモ参加者の役になれるゲームをアプリストア「グーグルプレイ」から削除したと発表した。慎重な扱いを要する事象を利用することを禁止する方針に沿った決定だと説明した。
ただ、グーグルは、「HKmap.live」に関しては規定違反はないとし、引き続きグーグルプレイで入手可能だとしている。
ツイッターでは、「HKmap.live」の開発者とみられる人が、アプリが警察官への不意打ち攻撃などに使われたとする香港警察の主張を裏付ける証拠はないとし、アップルの決定に異議を唱えた。
投稿は「アップストアの大半のユーザーレビューをみると、HKmap.liveが公共の安全の『改善』に寄与したことがわかり、その逆ではない」と主張している。
*内容を追加しました。