[ワシントン/サンフランシスコ 6日 ロイター] - 米司法省が、ツイッターの元従業員2人とサウジアラビア人の男1人をスパイ行為で起訴したことが分かった。元従業員はサウジに批判的なユーザーなどの情報をサウジ当局者に渡し、対価を受け取っていたという。
訴状によると、起訴されたのはツイッターの元従業員2人と、当時サウジ王室のために働いていた男で、訴因は外国の代理人として登録せずにサウジの活動に関与した罪。
ツイッター元従業員の1人は2015年前半に、サウジ王室に批判的な著名人物のアカウントに繰り返しアクセスし、そのアカウントに関連するメールアドレスや電話番号を閲覧できたケースもあった。サウジに批判的な別の人物のアカウントにも、個人情報を入手するためアクセスした。
もう1人の元従業員は、個人情報へのアクセスが会社側に発覚し、2015年終盤に休職処分を受けたが、それまでにすでに6000以上のアカウントにアクセスしていた。
司法省は「この情報を用いてツイッターユーザーを特定し、居場所を把握することが可能だった」と指摘した。
サウジ人の男は同国政府とツイッター元従業員の仲介役を務めたとされる。
司法省によると、元従業員の1人は米シアトルで逮捕されたが、残る2人はサウジ国内にいるとみられる。
サウジを巡っては昨年、著名記者ジャマル・カショギ氏の殺害を受けて与野党議員の間で批判が高まった。
今回の起訴を受け、IT(情報技術)企業が従業員によるアクセスも含め、ユーザーの個人情報をいかに保護するか、あらためて関心が高まりそうだ。