[東京 13日 ロイター] - ジャパンディスプレイ(JDI) (T:6740)の菊岡稔社長兼CEO(最高経営責任者)は13日の決算会見で、資金調達の実質的な枠組みを11月末までに確定することを目指すと述べた。手続きに時間を要する場合、正式発表は12月に後ずれする可能性があるとした。
資金調達枠組みの取りまとめは、当初目標の10月末からはすでに後ずれが生じている。菊岡社長は、投資家候補になり得る相手先による資産査定に丁寧に対応しているためだと述べた。
先月から協議を進めている金融投資家は、独立系の民間ファンドで、長期投資を前提にしていると説明。この投資家は「経営体制を尊重し、事業再生に熱心」(菊岡社長)だという。
12月末までのコミットメントラインは、資金調達完了までの期間を踏まえて延長する方向で金融機関などと協議しているという。仮に資金調達完了が1―2月にずれ込んでも資金繰りに懸念が出ないよう備えるとしている。これまでに表明していたモバイル分野の分社化は、資金調達を優先し、先送りすると述べた。
足元の事業について菊岡社長は「10月からは黒字体質になり、単月で黒字が確保できた」と述べた。主要顧客向け販売の好調に加え、構造改革の効果が出始めているという。関係筋によれば、この主要顧客は米アップル (O:AAPL)。
構造改革の効果について、会見に同席した大河内聡人執行役員は「まだ第2四半期(7―9月)にはフルに寄与していない。第3四半期(10―12月)以降、勢いがしっかり出れば黒字体質になっていく」と説明した。
米アップル向け有機ELパネルは11月から出荷を開始するという。生産する茂原工場(千葉県茂原市)は豪雨による浸水被害で一時生産を停止した経緯があった。
なお、共同通信によると、独立系投資顧問会社のいちごアセットマネジメントが、JDIへの出資を検討している。
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(平田紀之 編集:内田慎一)