[東京 15日 ロイター] - 「世界最速の男」と呼ばれる陸上男子100メートル世界記録保持者のウサイン・ボルト氏が出資・創設者の1人として関わる超小型モビリティ企業の米ボルト・モビリティが15日、東京都内で日本での事業展開について会見した。米国やフランスに続き、日本でも電動キックボードのシェアリングサービスを広げたい考えで、まずは2020年までに私有地扱いとなる大学構内の約40カ所で展開を目指す。
電動キックボードは欧米を中心に普及が進んでおり、自動車よりも近距離をカバーする移動手段として注目を集めている。新興企業を中心に海外でシェアリングサービスが普及。日本では米大手の「Lime(ライム)」と「Bird(バード)」が今年、実証実験を行ったほか、「Luup(ループ)」(東京・渋谷)なども各自治体と組んで実証実験に乗り出している。自動車メーカー大手では独BMW (DE:BMWG)などが商品化しているほか、米フォード (N:F)が昨年、電動キックボードのシェアリング新興企業「Spin(スピン)」を買収した。
日本で乗るには現時点では、原動機付自転車免許が必要で、ヘルメット着用が義務。車に比べて低速ながら車と同じ道路を走るため、安全性が懸念されており、社会実装に向けて各社が実証実験を始めている。
ボストンコンサルティンググループによると、電動キックボードの世界市場はシェアリングだけでも25年に4―5兆円規模に成長する見込み。
ボルト・モビリティは電動キックボードのほか、2人乗り小型電気自動車(EV)「ボルト・ナノ」の投入も計画している。