[サンフランシスコ 17日 ロイター] - 世界各国の捜査当局の協力機関である国際刑事警察機構(インターポール)は18日、強力な暗号技術の普及により、子供を性的に虐待している犯罪者の摘発が難しくなっているとの声明を発表する。関係者3人がロイターに明らかにした。
インターポールの当局者によると、声明は15日にフランスのリヨンで開かれたインターポールの会合で米連邦捜査局(FBI)が提案。会合に参加した約60カ国の代表による正式な投票は経ておらず法的な拘束力はないが、ハイテク企業に対する圧力を高める狙いがある。
ロイターが入手した声明草案は「サービスプロバイダーやアプリケーションソフトの開発業者、機器メーカーは暗号化技術を備えた製品やサービスを製造・販売しているが、暗号化技術はこうした業者のプラットフォーム上で発生している子供への性的搾取を事実上覆い隠している」と指摘。「ハイテク企業は、政府が適切な法的権限を持つ機関と協力し、読み取りや利用が可能な形のデータにアクセスできる暗号化製品やサービスの仕組みを設計に取り入れるべきだ」と訴えている。
暗号化技術を巡っては英国とオーストラリアで最近、解読不可能な暗号化を禁じる規制が成立するなど利用を制限する動きが広がっているが、アップル (O:AAPL)やグーグル (O:GOOGL)などハイテク大手は抵抗している。
インターポールにはロシアなど、政治的少数派や活動家に対する大規模な監視やスパイ活動に関する規則がない国の捜査当局者も参加しており、今回の声明は暗号化を規制する政治的な取り組みにとって追い風になりそうだ。