[香港 20日 ロイター] - 中国の電子商取引大手アリババ (N:BABA)は、香港での新規株式公開(IPO)価格を1株=176香港ドル(22.49ドル)に設定した。調達額は最大129億ドルとなり、クロスボーダーな重複上場としては過去最大規模となる。抗議デモによる社会不安と経済低迷に苦しむ香港に支援材料となる。
アリババは声明で1株176香港ドルというガイダンスを提示。これは19日のニューヨーク市場終値を2.9%、IPO手続き開始前日の12日水準を3.7%下回る。
エクィタスの調査部長、スメート・シンハ氏は「4ー5%のディウスカウントを見込んでいたので、ほぼ適正な価格だ」と述べた。
調達額は、グリーンシューオプションの行使前で880億香港ドル(113億ドル)となり、同オプションの行使で最大129億ドルになるという。香港市場のティッカーコードは「9988」とした。中国では9と8は繁栄を示す縁起の良い数字とされる。
米当局に提出された文書によると、ニューヨーク上場のアリババ米国預託株式(ADS)1株は香港上場のアリババ普通株8株の交換比率で、上場後は完全に交換可能になる。
複数の関係筋によると、個人投資家向けの割当比率は当初2.5%だったものの、応募倍率が40倍と応募が殺到したため10%に引き上げられた。これについてアリババからのコメントは得られていない。
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