[東京 20日 ロイター] - 三菱商事 (T:8058)とNTT (T:9432)は20日、デジタル地図大手の蘭ヒア・テクノロジーズの株式の3割を取得すると発表した。同日に業務提携で合意した産業向けデジタルトランスメーション(DX)の取り組みでの中核技術と位置付ける。
ヒアの株式は、三菱商事とNTTが折半出資で新設する共同出資会社を通じて取得する。買収額は非公表。会見したNTTの澤田純社長は出資の理由について「(ヒアが)今持っている技術レベルが先端的だし、世界を視野に入れてナビ分野で実績を上げている。われわれも組んで外に出ていける」と述べた。運転支援や交通マネジメント、ターゲット広告支援などの面でのシナジーを見込むとしている。
デジタル地図は米グーグルも展開している分野だが、澤田社長は、ヒアは主に法人向けであるのに対しグーグルは消費者向けだとし「コンペティション(競争)は基本的にない」との認識を示した。両社の技術を組み合わせることで「新たなソリューションをつくるモデルもあり得る。場合によっては協業もあり得る」と述べた。
三菱商事とNTTは同日、人工知能(AI)などのデジタル技術を使って物流・メーカー・小売の効率化などを支援するためDX分野で業務提携した。日本やアジアでの事業拡大を進め、両社で数千億円規模の事業にすることを目指す。
三菱商事の垣内威彦社長は、同社には大半の産業に知見があると述べ「事業とデジタル技術をかけ合わせ、ビジネスモデルを創造する」と述べた。
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(平田紀之 編集:田中志保) OLJPTOPNEWS Reuters Japan Online Report Top News 20191220T055801+0000