[23日 ロイター] - 米半導体大手インテル (O:INTC)が23日発表した第1・四半期決算は、在宅勤務の増加を受けて半導体需要が大きく伸びた。ただ、第2・四半期の1株利益見通しは市場予想を下回った。同社はまた、新型コロナウイルスの大流行を受けて経済の先行き不透明感が著しく高まっているため、新たな通年業績見通しは公表しないとした。
これを受けて株価は、時間外取引で6%下落した。
第2・四半期の調整後1株利益見通しは1.10ドルと、リフィニティブがまとめた予想の1.19ドルを下回った。
ボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は、電話会見で「新型コロナによる経済への打撃が、目先の遠隔勤務拡大による影響をどう相殺するか引き続き検証している」と述べ、それに応じて生産計画を調整する方針を示した。
半導体業界は、マレーシアなどサプライチェーンを構成する国々で新型コロナの感染拡大抑制に向けた厳しい制限措置が講じられる中、生産に影響が生じている。
スワン氏は、一部の工場では現地政府の制限措置に従うため「一時休止」せざるを得ないプロジェクトもあったと述べた。ただ、大半の工場は需要に対応できているとした。
ジョージ・デービス最高財務責任者(CFO)はロイターのインタビューで、世界各国における外出制限により、第1・四半期は半導体需要が拡大したと明らかにした。
デービス氏は、自宅で過ごす人が増えてパソコン(PC)向けの需要が伸びたほか、在宅勤務への対応で企業がインフラ強化に取り組む中、データセンター向けの需要も増加したと説明。クラウドの利用も拡大したと述べた。
一方、第3・四半期にも出荷開始を目指すPC向け新型チップ「タイガーレイク」の準備費用により、第2・四半期の利益率は低下すると予想。この費用が重しとなり、第2・四半期の1株利益見通しは市場予想を下回ったと説明した。その上で、通年では利益率への影響はゼロになる見通しとした。
第1・四半期は、最大の売上高を稼ぎ出すクライアント・コンピューティング部門の売上高が14%増の98億ドルと、ファクトセットがまとめた市場予想(93億4000万ドル)を上回った。
利益率の高いデータセンター部門の売上高は43%増の70億ドル。ファクトセットの予想は63億2000万ドルだった。
半導体業界は、スマートフォンやパソコン(PC)の販売鈍化によってすでに厳しい状況にある中、新型コロナの感染拡大で顧客からの需要が打撃を受けている。特に今後数年の成長のけん引役として期待をかけていた自動車セクターの需要が急減している。
インテルのさえない業績見通しを受け、エヌビディア (O:NVDA)、マイクロン・テクノロジー (O:MU)、アプライド・マテリアルズ (O:AMAT)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) (O:AMD)の株価も、時間外で1─2%下落した。
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