[エルサレム/ニューヨーク 4日 ロイター] - 米半導体大手インテル (O:INTC)は4日、イスラエルの公共交通機関乗り換え案内アプリ開発会社ムービットを約9億ドルで買収したと発表した。2022年初めのサービス開始を目指す自動運転車「ロボタクシー」の開発に寄与するという。
ムービットは独立性を維持するが、同社の技術や、102カ国に持つ8億人超のユーザーから収集するデータはインテル傘下のイスラエル企業モービルアイに統合される。
買収額は、ムービットの直近の資金調達時(2018年)の評価額5億ドルの倍近くとなった。インテルはこれまでにムービットに約7%出資しており、完全買収に向け約8億4000万ドルを支払った。
関係筋によると、今回の取引は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界に広がる前にムービットが資金調達の実施を目指していたことをきっかけに協議が始まった。ムービットは約1年分の運転資金を有していたが、感染拡大による経済への影響が明白になり、インテルによる完全買収を模索することを決定。オンラインでの協議を通じて40日で買収が成立したという。
モービルアイのシャシュア最高経営責任者(CEO)は、ロイターに対し「ムービットの買収は、今後生じる非常に重要なギャップを埋める」と述べた。また、初期の目標として、小規模なロボタクシーをイスラエルやフランス、韓国などで展開することを挙げた。
同CEOは、モービルアイとの統合が完了した時点でムービットのアプリがロボタクシーを手配するプラットフォームとなり、リアルタイムのデータを通じて需要の高いエリアに車両を配備できるようになると説明した。