[サンフランシスコ 10日 ロイター] - 米アップル (O:AAPL)は10日、自社開発のプロセッサー「M1」を搭載したラップトップパソコン「MacBook Air(マックブック・エア)」などの新商品を発表した。
自社プロセッサーは、アップルが約15年にわたりMacの頭脳として採用してきたインテル (O:INTC)の技術からシフトすることを意味する。また、これによりMacとiPhoneの両方で動作するアプリの開発につながると期待される。
マックブック・エアの価格は旧モデルと同じ999ドルからで、バッテリー駆動時間は最大2倍という。M1は他にもラップトップ「Macbook Pro」(1299ドルから)、小型デスクトップパソコン「Mac Mini」(699ドルから)にも搭載された。
新製品は来週から発売される。
アップル株はイベント終了時点で約0.2%上昇していたが、終値は0.3%安となった。
ムーア・インサイツ・アンド・ストラテジーの創業者、パトリック・ムーアヘッド氏は、アップルは自社チップを採用することでチップ1個当たり150─200ドルのコストを削減できると予想。高価な機能は加えておらず、「利益率がかなり上昇するだろう」と語った。
<効率的で速い>
アップルの幹部は、バッテリー寿命を改善するため、M1は処理速度が速く、効率的な設計になっていると説明。アップルの基本ソフト(OS)の最新版はM1に対応しているとした。
アップルの元幹部らが設立したデータセンター向けチップ開発会社ヌビアのバイスプレジデント、ジョン・カービル氏は「今回の発表は、次世代のクライアントコンピューティングを主導するうえで、高性能プロセッサーのカスタムデザインがどれほど重要になるかを示している」と指摘。「データセンターについても今後、同様のトレンドが見られると考えている」と語った。
また、アップルのソフトウエア部門責任者、クレイグ・フェデリギ氏は、米アドビ (O:ADBE)のソフト「フォトショップ」が来年初めにM1搭載Macで利用可能になると明らかにした。
クリエイティブ・ストラテジーズのアナリスト、ベン・バジャリン氏は「アプリのエコシステムとバッテリー寿命はおそらく消費者が魅力を感じる2つの分野だろう」と指摘した。
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